PLAN75

話題になっていた映画「PLAN75」がアマプラで配信されていたので観てみました。 PLAN75 倍賞千恵子 Amazon PLAN75というのが何なのかははっきり説明されませんが、劇中のテレビや会話から公的な安楽死のシステムであることが示唆されます。システムが導入さ…

読書感想「実践・倫理学」

コロナ禍のさなか、感染対策のために個人の権利にどこまで介入してよいのかという問題が生じることをしばしば見かけていたのですが、そんな折にYoutubeで「パンデミックの倫理学」と題した動画を見る機会がありました(現在も視聴できます→https://www.youtu…

自己決定とパターナリズム2

以前から気になっていた映画をアマプラで鑑賞しました。 フェアウェル(字幕版) オークワフィナ Amazon NYに暮らすビリーと家族は<嘘>の結婚式を口実に、余命わずかな祖母に会うために中国へ帰郷する。本人への告知を巡り対立するビリーと家族。帰国の朝、…

新年とコロナ

あけましておめでとうございます。 新しい年を迎えましたが、年の瀬になって新型コロナの流行が拡大傾向に転じていたところで、これから年明けの動向が気になるところです。思えば昨年は第4波・第5波がこの片田舎にも到達し、並行してワクチン接種の個別接種…

第4波とワクチン

大都市圏では春休み明けから予想通り(?)急激な新型コロナの感染者増になっています。片田舎の当地ではまだそこまでいきませんが、第3波と同様、しばらくして余波が来るのは想定され、また緊張の続く毎日になりそうです。 ワクチン接種のスケジュールもよ…

自己決定とパターナリズム

医療の場で検査や治療の方針を決める際に患者さんの希望と医学的知見をどのようにすり合わせていくのかという課題が以前からあって、自由放任でも強権的でもない第三のアプローチとして「ナッジ」に興味を持ったのが10年くらい前で、ちょうど「実践行動経済…

「反ワクチン記事」とメディアに関する私見

新型コロナウイルスの流行もまだ収束が見えない状況ですが、海外では日本よりはるかに大きな感染者数が出ていることもあり、異例の早さでワクチンを開発、そして実際の接種が始まっています。有望なワクチンについては、日本でも認可され、接種スケジュール…

感染症の世界史

これまで買ったまま積んであったのをこの機会に読んでみました。 感染症の世界史 (角川ソフィア文庫) 作者:石 弘之 発売日: 2018/01/25 メディア: Kindle版 人類の歴史は随所でさまざまな感染症が登場することは知っていたつもりでしたが,感染症を軸として…

日常と非日常

新型コロナウイルスに関して専門的なことを書くような力量はありませんが,このあたりであくまで個人的な記録を残しておくことにします。 中国で新型の肺炎が発生したという記事が載っていたのが昨年の大晦日でした。限られた地域で終わるのかな…と思ってい…

長谷川和夫先生と認知症

認知症診断の生き字引的存在といえる長谷川和夫先生が認知症と診断されたニュースは一昨年あたり耳にしていましたが,今回ご自身でその経緯を本にまとめられました。 ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺…

スカイウォーカーの夜明け

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 このブログも更新頻度がどんどん低下していますが,医療とか社会保障の話題だとどうしても下調べで止まってしまうので,このあたりで本や映画といった本来の日記路線に戻ってみようと思います…

人生という名の会議

小籔さん起用の「人生会議」ポスター、批判受け発送中止:朝日新聞デジタル 人生の最終段階でどんな治療やケアを受けたいかを繰り返し家族や医師らと話し合っておく取り組みの普及啓発のために厚生労働省が作ったポスターに批判が多く寄せられている。厚労省…

2018年のまとめ

あけましておめでとうございます。 いつも年末にはその年のまとめエントリをあげていたのですが今回はすっかり忘れていました。年も変わってしまいましたが,一応恒例なのでやっておこうと思います。 2018年の一冊 (ノンフィクション部門) 医療現場の行動…

健康を食い物にするメディアたち

予約注文してあったのですがようやく読みました。 健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book) 作者: 朽木誠一郎 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日: 2018/03/25 メディア: 単行本(…

胃瘻造設数が減った理由は?

「終末期」のため口から食事が取れなくなった状況での人工栄養という選択肢について,朝日新聞で取り上げられていました(有料記事ですが登録すれば1日1記事のみ無料で閲覧できます)。 「(胃瘻を作るのに)おなかに穴を開けるのが嫌だ」と仰っていた方が結…

2017年のまとめ

結局今年もほとんど更新せずに終わってしまいました。年始のエントリと年末の本エントリ,あとは読書感想が1本。昨年の実績ゼロよりはましですが…。それでも恒例(?)ですので「今年の一冊」「今年の一本」を挙げておきます。正直今年どんな本を読んだりどん…

教養としての社会保障

教養としての社会保障 作者: 香取照幸 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2017/05/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 某所で紹介されていたので読んでみました。長年に渡って厚労省の社会保障政策に関わり「社会保障と税の一体…

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 昨年中は更新結局せず終いでした。考えてみると,今までこのブログを続けていたのは当方自身が日々考えていることや思いついたことを記録として残しておく手段としての面が大きかったのですが,それに関してはTwitterのほ…

2015年のまとめ

更新も年数回となってしまった当ブログですが,恒例なので年末エントリをあげておきます。本業は相変わらずバタバタしていますが,有難いことに当ブログとともに8年目を迎えなんとか潰れずにいます。医療政策的には高齢社会の節目となる2025年まであと10年と…

医療事故調査制度は始まったけれど

医療事故調査制度スタート「予期せぬ死亡」対象 - 47news(魚拓) 医療の安全確保を目的とした医療事故調査制度が始動。「診療に関連した予期せぬ死亡事案」が対象とされ、記録などに基づいて判断する医療機関の管理者の対応が問われる。制度の柱となる「院内…

認知症のインフォーマルケアと費用

高齢化にともない認知症の患者が増え続ける中、去年1年間に認知症の人にかかった医療や介護などの費用は、およそ14兆5000億円にのぼるという初めての推計を、厚生労働省の研究班がまとめました。 認知症年間コスト 14兆円超 - NHK 首都圏 NEWS WEB …

2014年後半のまとめ

久しぶりの更新となってしまいました。本業では在宅不適切事例の適正化 - Dr.Poohの日記でも取り上げた通り訪問診療の単価が切り下げられた一方在宅医療の需要は着実に増えており,別に在宅専門というわけではないのですが,なんだかせわしない半年でした。…

混合診療解禁を巡る議論2

このところ「混合診療」の話題がメディアで取り上げられるようになりました。先日は安倍首相自ら保険外診療と保険診療が併用可能な制度を新設するように指示を出しています*1。 「保険診療と保険外診療を同時に受けた場合にも保険診療分の診療報酬が支払われ…

こっそり移転

特に深い意味はないのですが,気分一新ということで引越しました。旧ブログからリダイレクトされるのでブックマークはそのままでよいと思いますが,RSSは改めて登録する必要があるかもしれません。お手数ですが変更して頂けると幸いです。

かかりつけ医と在宅医療

前回からだいぶ間隔があいてしまいました。在宅関連の診療報酬改定について,とりあえず新年度を控えた現時点での雑感を書き残しておきます。同一建物への訪問診療が大幅に引き下げられたことでこれまでの在宅主治医が撤収してしまい,有料老人ホームやサー…

在宅不適切事例の適正化

来年度の診療報酬改定について在宅関連だとやはり「在宅不適切例の適正化」(P55)が話題になっているようです。 在宅医療を担う医療機関の量的確保とともに、質の高い在宅医療を提供していくために、保険診療の運用上、不適切と考えられる事例への対策を進め…

主治医機能の評価?

来年度の診療報酬改定の概要が発表されたので先程目を通してみました。とりあえず何だこれ?と思ったのは「主治医機能の評価」(P42)という項目です。 外来の機能分化の更なる推進の観点から、主治医機能を持った中小病院及び診療所の医師が、複数の慢性疾患…

医療事故調再び2

厚労省がかねてから推進していた医療事故調法案が今回提出の運びとなるようです。 医療事故の原因究明と再発防止に役立てるため、厚生労働省が法制化を目指す第三者機関「医療版事故調査委員会」について、自民党の社会保障制度特命委員会・厚生労働部会合同…

新年とiPad mini retina

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。昨年末にiPad mini retinaを購入しました。年内の業務が一段落してからチマチマと使っていますが、やはりなんといっても片手で長時間保持していてもほとんど疲れを感じない軽さです。主た…

2013年に買って良かったもの

はてなダイアリーのお題に便乗して、アマゾンの購入履歴から今年買ってよかったモノをいくつか拾ってみました。 書籍部門 医療とは何か ---現場で根本問題を解きほぐす (河出ブックス)作者: 行岡哲男出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/08/11メディ…