医療政策

認知症のインフォーマルケアと費用

高齢化にともない認知症の患者が増え続ける中、去年1年間に認知症の人にかかった医療や介護などの費用は、およそ14兆5000億円にのぼるという初めての推計を、厚生労働省の研究班がまとめました。 認知症年間コスト 14兆円超 - NHK 首都圏 NEWS WEB …

混合診療解禁を巡る議論2

このところ「混合診療」の話題がメディアで取り上げられるようになりました。先日は安倍首相自ら保険外診療と保険診療が併用可能な制度を新設するように指示を出しています*1。 「保険診療と保険外診療を同時に受けた場合にも保険診療分の診療報酬が支払われ…

かかりつけ医と在宅医療

前回からだいぶ間隔があいてしまいました。在宅関連の診療報酬改定について,とりあえず新年度を控えた現時点での雑感を書き残しておきます。同一建物への訪問診療が大幅に引き下げられたことでこれまでの在宅主治医が撤収してしまい,有料老人ホームやサー…

在宅不適切事例の適正化

来年度の診療報酬改定について在宅関連だとやはり「在宅不適切例の適正化」(P55)が話題になっているようです。 在宅医療を担う医療機関の量的確保とともに、質の高い在宅医療を提供していくために、保険診療の運用上、不適切と考えられる事例への対策を進め…

主治医機能の評価?

来年度の診療報酬改定の概要が発表されたので先程目を通してみました。とりあえず何だこれ?と思ったのは「主治医機能の評価」(P42)という項目です。 外来の機能分化の更なる推進の観点から、主治医機能を持った中小病院及び診療所の医師が、複数の慢性疾患…

在宅医療のマッチング

朝日新聞のトップ記事に載っていたらしいです。ネットでは一部しか読めませんが無料登録すれば全文読めます。 朝日新聞デジタル:高齢患者紹介ビジネス横行 「先生いい話あります…」 - 社会 高齢者施設で暮らす患者をまとめて紹介してもらい、見返りに診療報…

在宅診療と診療報酬改定2

中医協が診療報酬の答申を行ったということでメディアでも取り上げられていましたが,見出しにはやはり「在宅医療推進」が目立ちました。メディアが「○○を手厚く評価する」と書くときには「(※ただし△△に限る)」という部分を省略していることが多く,今回もそ…

在宅診療と診療報酬改定

来年は医療と介護の診療報酬同時改定ということで現在議論が行われているところです。財源に関してはプラス改定という意見が早々に下火となり,争点はすでにプラスマイナスゼロかマイナスか,というあたりになっているようです。まあ震災復興で金がないから…

混合診療解禁を巡る議論

混合診療禁止の法的根拠について争われていた裁判は,最終的に最高裁で「法的根拠あり」の判断が下されたようです。 健康保険法に混合診療を禁じる規定はないが、国は法解釈で禁止してきた。その一方で、1984年の同法改正以降、特定の高度先進医療に限っ…

災害時の情報伝達

地域医師会で被災地での医療支援から帰って来た先生方の報告会を聴きに行きました。やはり物資が不十分な状況な中では相当な苦労もあったようですが,現地でのコーディネートが機能していたので人員の配置は比較的スムーズだったとのことでした。このあたり…

長谷川レポートの否定

「医師需要予測は不可能、やるべきではなかった」:日経メディカル オンライン 2006年の厚生労働省「医師の需給に関する検討会」の論拠となった医師数の需要予測については,医師の必要数が過小に評価されていること,長期的には医師の需要は十分であること…

後期高齢者医療制度を廃止したあとは2

猛暑のため脳の活動が低下気味で140字以上の文章を書くのが困難となり,しばらくこちらを更新できませんでした。なんとか涼しい時間帯を見つけてせめて週に一回くらいはエントリを書きたいと思っています。 さて,後期高齢者医療制度廃止という公約に沿って…

付録つき厚生労働白書

久しぶりに医療ニュースを取り上げてみます。 「社会保障は、行政と国民との信頼関係なしには成立し得ない。厚生労働省が自らその基盤を崩してしまってきたことは誠に申し訳なく、率直にお詫(わ)びを申し上げたい」。2010年版厚生労働白書は、「お詫び…

財政健全化と社会保障政策

社会保障政策に関する民主党のマニフェスト案がまとまったようです。 最終案は、財政健全化の重要性を強調。「財政健全化のため、成長戦略の具体化と推進、社会保障制度の再構築を図る」とする一方で、「抜本的な税制改革(消費税を含む)などによる歳入改革…

事業仕分けと社会保障政策

あくまで報道を踏まえた個人的見解ですが,事業仕分けによってこれまで手付かずだった公的機関の運営が見直される契機になるとはいえ(その効果を見極めるにはある程度の時間がかかると思われます),当初謳っていた原資が捻出できない時点で,現政権において…

「かかりつけ医」政策への個人的見解

患者さんが専門医を直接受診することで負担がかかっているので「かかりつけ医」「総合医」を育成してそちらを受診するようにすればいいという見識があって,確かにうまくいけばよさそうな話に聞こえるし,だからこそ厚生労働省も学術団体も日本医師会も(それ…

後期高齢者医療制度を廃止したあとは

後期高齢者医療制度というのは医療リスクの高い集団を別勘定にしたうえで診療報酬を包括払いにして総額を抑制するという意図だったと理解していますが,結局は政治的に受け入れられず廃止となりました。もしそうならなくても医療費抑制が目算通りに運ばずに…

診療明細書についての院内掲示

4月から廃止された電子化加算(3点)の代わりということで新設となった明細書発行体制等加算(1点)ですが,これを算定してもしなくても明細書は原則として患者さん全員に発行することが義務付けられています。 医療費の内容の分かる領収証及び個別の診療報酬の…

新型インフルエンザ総括会議

http://twitter.com/#search?q=%23flurev 厚労省で行われている新型インフルエンザの総括会議の模様がYoshiaki GuさんによりTwitterで実況されていたのを追っていたら昼休みがすっかり潰れてしまいました。基本的に尾見先生が水際作戦とか学級閉鎖といった一…

診療報酬点数の起源

vol 103 診療報酬体系成立の歴史を検証する - MRIC by 医療ガバナンス学会現在の保険診療における診療報酬にはいろいろと不可解な点がありますが,そのうちのいくつかについて,今回カラクリを知ることができました。以前から思っているのが,なぜ1点=10円…

診療報酬請求査定の基準

レセプト審査、査定の判断に「支部間差異」―支払基金の報告書 - CBニュース 社会保険診療報酬支払基金が3月15日に公表した報告書によると、医療機関が提出したレセプトを各都道府県支部の審査委員会が審査する際、同じ事例を審査しても、保険診療のルールに…

ワクチン行政の行く末

予防接種法「遅くても5年で抜本改正」−足立政務官 - CBニュース 3日の政策会議では、「予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の概要について、足立政務官らが与党議員に説明した。出席…

政策による医療の崩壊

出産一時金支払制度によって出産費用の未払いがなくなれば医療機関側の負担が減るはずだったのに,2か月後の支払いまでの収入が途絶えてしまい,むしろ経営に打撃を受ける事態となっています。一経営者としては,2か月も運転資金が止められるなんてあまり想…

任意接種は必要性が低い?

定期接種と任意接種のちがいというのは,医療行政的なタテマエとしては,対象となる感染症の重症度やワクチンの有効性によるもので,要するに必要性が高いからということになっていますが,現実には必ずしも公衆衛生学的な必要性だけでなく,医療行政の遅れ…

無理筋の行政処分2

厚労省医政局が独自の行政処分を強行するという情報があってその後どうなったのか気になっていましたが,昨日付で処分対象者が発表になったようです。現時点で厚労省のサイト上には反映されていませんが,某新聞が例年通り処分対象者全員の氏名を公表してい…

看護師の裁量拡大

医師が過重労働で疲弊しているので看護師の裁量を拡大して負担を減らす,みたいな話は以前からあって,最近になって制度化の動きが出ています。理屈からいえばそうした理念を実現できそうなのは,医師が医師本来の業務によって忙殺されていて,なおかつ看護…

シナリオと政治主導

19日の感染症分科会予防接種部会による一次提言(PDF)の概要が各紙で報じられていましたが,ロハスメディカルによる議事録を拝見するとすこし様相が異なっていて,今回の新型インフルエンザ騒動のさいの「パッチワーク」的な措置を今後も法制化して定着させる…

在庫処分

新型ワクチン後始末余話 - 新小児科医のつぶやき 保健所からのお達し - ステトスコープ・チェロ・電鍵 当院にも同じような通知が送られてきました。口語訳すると「まさか余分なワクチンを抱えているようなところはないとは思うけど,もしいればお互いに融通…

統合医療による医療費の抑制

「統合医療」推進へチーム設置 効果や安全性を分析 - 47news cache 西洋医学に漢方や自然療法を取り入れた「統合医療」推進に向け、厚生労働省は11日までにプロジェクトチーム(PT)を設置、効果や安全性の本格的分析を始めた。推進は民主党がマニフェス…

アンケートで決める政策

重要政策に世論調査活用へ 後期医療・年金などで厚労相 - 朝日新聞 cahce 長妻昭厚生労働相は、後期高齢者医療制度(後期医療)や年金問題などの重要な政策課題に世論調査を活用する検討に入った。国民の声を政策に反映させる狙いで、「国民から送り込まれた…