医療政策

社会保障と経済成長

民主党政権が年末に経済成長戦略を発表していましたが,その中に「医療・介護による内需拡大と雇用創出」も含まれているようです。経済に関しては素人の立場からの素朴な疑問としては,言い方を変えると,これまでの医療・介護分野で需要創出が不十分だった…

新型インフルワクチンが余るらしい

ワクチン「不足」一転「余る」 1億5300万人分確保 - 産経新聞新型インフルエンザの性質が今より不明確だった段階で計画を立てたわけですから,ワクチンが余るより不足するのを問題視するのは当然といえば当然なわけで,結果論として余ったことを責める…

診療報酬改定はプラス0.19%

診療報酬の改定率というのは最終的にこれだけの増額(あるいは減額)を約束するものではなく,個別の診療報酬を改定することによる影響を机上で試算した結果,合計してこれくらいの水準を目指そうという指標であると個人的には理解しています。机上で計算する…

底の浅い批判

ワクチンが当日中に使い切れずに破棄することを非難するのであれば優先接種対象外であっても使い切ることに対しては「柔軟な対応」として評価して然るべきだし,逆に優先順位を守らないことがいけないのなら余剰分を捨てた医療機関についてはキチンと評価す…

Well, You Needn't

「中医協の意見書」が密室で決裂、問われる国民代表 - ロハスメディカル 中医協というのは元来,公的医療保険に関わる支払い側と診療側の両者が診療報酬の配分を議論して厚労相に答申するのが仕事…ということになっています。とはいえ実際には議事進行から資…

仕分け人の弁明

医療仕分け人が語る、事業仕分けの裏側 - 日経メディカル また、最終的に予算を取りまとめるのが財務省である以上、財務省がある程度主導権を握るのも仕方がない。今できる範囲としては十分評価できるのではないか。少なくとも国民に審議過程を公開したこと…

漢方と保険診療

漢方医学についてはエビデンスが充分に確立しているとは言えず,保険診療からは外すべきではないかという議論はかなり以前からあります。今回の事業仕分けで指摘されたのは,漢方薬にはOTCに同じものがあるからそちらを利用すればよく,保険診療で扱うのは医…

オンライン化と電子化

電子媒体での請求も「原則」の請求方法に―厚労省令改正 - CBニュース 厚労省は、「電子媒体による請求でも、医療保険事務の効率化、医療サービスの質の向上などの政策目標が達成される」としている。 医療機関側が診療報酬を請求するさいに一定の様式に従っ…

事業仕分けの極個人的感想

事業仕分けの様子をいろいろな媒体で観察していましたが,結局のところあれは例年予算編成の際に行われている「財務省による各省庁の評定」であって,今回公開されているのはそのうち比較的差し障りのない部分なんだろうと想像します。もっとも差し障りがな…

事業仕分けへの期待と不安

診療報酬、薬価対象に議論=11日、事業仕分けスタート−行政刷新会議 - 時事通信 政府の行政刷新会議の下に設置された三つのワーキンググループは11日午前から2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」の作業を始める。同日は診療報酬の配…

可能なら前倒しを

各紙で報道されていますが,コメント全文を掲載しているロハスメディカルより引用。 新型インフル「小児の予防接種スケジュール、可能なら前倒しを」 - ロハスメディカル 厚生労働省は6日、1歳から小学校3年生までの子どもと、基礎疾患を持つ小学校4年生から…

報道ステーションを見てみました

足立政務官が出演するとのことで報道ステーションを見てみました。 新型インフルエンザの流行が進み、ワクチンの接種を多くの人が望んでいるなか、ワクチンの接種回数に関し、一部の専門家と国の意見が分かれている。専門家の意見交換会(16日)では、20…

医師優遇税制と言っても

事業税優遇廃止案が浮上=開業医の診療報酬−来年度税制改正、政府・与党 - 時事通信 2010年度税制改正をめぐり、開業医の報酬に対する個人事業税(地方税)の非課税措置を廃止する案が政府・与党内に浮上してきた。政府税制調査会(会長・藤井裕久財務相…

報道による通達3

新型インフルエンザワクチン接種回数に関する報道には足立政務官も怒り心頭のご様子で,急遽会合が招集された模様です。 新型インフル 議論そのものを公開 足立政務官ヒヤリング - ロハスメディカル 実は金曜日の夜、大臣と臨時国会に提出する法案のことで協…

報道による通達2

報道によれば新型インフルエンザワクチンの接種が今日から始まるらしいのですが,当地では各医療機関が参加するかどうかの確認と自院の接種対象者の報告が行われた段階で,接種どころかワクチン自体もお目にかかっていません。どうやら各医療機関からの希望…

日本医師会も一蓮托生

中医協から日本医師会を排除 開業医より勤務医対策? - 産経新聞 長妻昭厚生労働相ら厚労政務三役は8日、診療報酬の具体的点数を決める中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)について、これまで3人いた日本医師会(日医)の代表委員を全員排…

報道による通達

新型インフルエンザに対するワクチン接種が10月19日の週から始まると決定されたことが一斉に報じられていますが,もちろん当院にはなんの通達も連絡もありません。公式には本日の担当課長会議で自治体に説明されるとのことですから,そのあとに接種する手順…

医療政策の優先順位付け

長妻厚労相、「来週までに事業の優先順位づけを」 - CBニュース 長妻昭厚生労働相は9月25日の閣議後の記者会見で、行政の無駄を省いて必要な財源を捻出するため同省各局に事業の優先順位づけを指示したことについて、「補正予算、本予算に限らず、これまでの…

タミフルの無診療投薬について

電話診察でタミフル処方OK 厚労省、現場に周知徹底へ - 47news 新型インフルエンザ感染者の急増による医療機関の混乱を防ごうと、厚生労働省は「再診に限り、電話による診察のみで抗ウイルス薬の処方を認める」との新対策を、先月まで2度にわたって都道府…

ワクチンの接種対象

ワクチン優先接種の持病は9種類 新型インフルで厚労省 - 47news 対象となるのは「慢性呼吸器疾患」「慢性心疾患」「慢性腎疾患」「肝硬変」「神経疾患・神経筋疾患」「血液疾患」「糖尿病」「疾患や治療に伴う免疫抑制状態」「小児の疾患」。 それぞれにつ…

厚生労働大臣はミスター年金

鳩山内閣の厚生労働大臣がミスター年金こと長妻昭氏に決定したとのことです。この方に対する評価は色々でしょうけど,「消えた年金」問題に関する当方の意見は下記の通りです。 分からないのか分からないふりをしているのかはともかく,前回の参議院選挙の争…

民主党政権の医療政策への期待と不安

民主党の医療政策については衆議院選挙のマニフェストや医系議員へのインタビューを拝見する限りでは,医療費を先進国並みに増やす,後期高齢者医療制度は廃止する,療養型病床削減は凍結する,官僚特に医系技官が主体の政策決定のプロセスを変える,といっ…

新型インフルエンザワクチンの集団接種

学校などでワクチン集団接種、厚労省が容認 - 読売新聞 新型インフルエンザのワクチン接種について、厚生労働省は8日、都道府県や政令市などの担当課長を集めた会議で、学校や福祉施設での集団接種を認める方針を示した。 新型インフルエンザのワクチンにつ…

ワクチン接種の優先順位

接種は医療者、妊婦・持病の順 新型用ワクチンの優先順位 - 47news 新型インフルエンザ用ワクチンの優先接種順位について、厚生労働省は4日、インフルエンザ患者を診る医療従事者を最優先とする同省案を発表した。第2位以下は「妊婦と基礎疾患(持病)のあ…

政策決定プロセスに関する見解

医療政策国民フォーラムという団体が,各政党に医療政策決定プロセスに関する質問を行いその回答を公開しています。この団体の主張に関しては必ずしも賛同するところばかりではありませんし,今回もかなり恣意的な質問が見受けられますが,選挙を前にして「…

麻疹ワクチンの接種率

はしかワクチン接種、昨年度は目標に届かず - CBニュース 昨年度から5年間に限り、新たにはしかワクチンの2回目定期接種の対象となった中1生と高3生の昨年度の接種率はそれぞれ85.1%、77.3%で、国が目標として掲げている接種率95%以上には届かなかったこ…

医療改革と財源選択

先頃二木立先生の新刊が出たので読んでみました。自分の理解を整理する意味でまとめてみます。医療改革と財源選択作者: 二木立出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2009/06/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る取り…

あえて日本医師会を擁護する

選挙:衆院選 診療報酬、国会で決定 民主「中医協を改革」−−公約原案 - 毎日新聞 岡田氏は22日、東京都内での講演で、中医協のあり方に関して「ほとんどは税金と保険料という公的なお金なのに、国会が関与できていないのは不思議だ」と指摘した。中医協の…

療養病床は高止まり

療養病床、削減進まず 医療機関の動き鈍く - 日経新聞 厚生労働省が医療費の抑制に向けて進めている「療養病床」の削減が難航している。2006年度の約35万床から12年度末に22万床まで減らす計画を掲げるが、今年になっても約33万床程度で高止まりしている。入…

部会とか分科会とか

来春の診療報酬改定に向けて議論が始まっていますが,議論のあり方そのものに対する厳しい意見です。 診療報酬改定の基本方針、何を議論するのか - ロハスメディカル 診療報酬改定を「医療部会」や「医療保険部会」、「中医協」、「その他の部会」などに分散…

時間外勤務の当直料は?

いつもはあまり真剣に読まない日本医師会雑誌ですが,今月号は「世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制」という特集に釣られて目を通してみました。特集もかなり勉強になりましたが,時間外勤務に関する江原朗先生の投稿論文(PDF:要会員ID)もなか…

市場主義型医療と社会主義型医療

イギリス医療はかつて社会主義型から市場主義型に向けて「改革」しようとして崩壊に至り,現在第三の道を模索している課程にあります。NHS内で診療ガイドラインを作成する業務に携わる著者は本書で,現在イギリスが目指す「保健医療改革」について詳しく解説…

新型インフルエンザ騒動の沈静化

もはや報道される感染者数と実態が相当かけ離れているだろうことは推察されるところですが,報道の扱いも当初と比べると着実に小さくなってますね。インフルエンザの沈静化とインフルエンザ「騒動」の鎮静化は別物,ということなんでしょう。別に騒げばいい…

日本医師会の転進

レセプトオンライン化義務化への対応に関する通知が日本医師会から末端会員向けに先日出てました。閣議決定に「原則」を明記させたので完全な義務化ではなくなった,と戦果を謳ってはいますが,勝利宣言するにはさすがに苦しいところです。具体的な対応指針…

パンデミック宣言

WHOが新型インフルエンザ(H1N1)の警戒水準をフェーズ6に引き上げたということで今朝の各メディアで大きく取り上げられていました。WHOの声明を読むと,パンデミック初期の現段階で感染力は中程度であり大多数は良好な自然経過を辿ること,若年者で重症化する…

日経新聞のアドバルーン記事

診療報酬、75歳以上「別建て」廃止へ 厚労省、2年で方針転換 - 日経新聞 医療費の膨張を抑えるため、2008年度に導入した後期高齢者医療制度の枠組みの一部がわずか2年で修正を迫られることになった。厚生労働省は75歳以上に限定して医療保険から病院などに…

財務大臣から見たインフルエンザ問題

新型インフルエンザ対策に関して,財務次官からは新たな予算措置は不要とのコメントが先日ありましたが,財務大臣としての見解はどうなのかというと,こんな具合です。 豚インフル対策「人と金惜しみなくつぎ込む」…与謝野財務相 - 読売新聞 与謝野財務・金…

無届け老人ホームは指導だけで改善しない

今年3月に群馬県の老人ホームで出火により多くの入居者が亡くなった悲惨なニュースはまだ耳に新しいところです。都道府県に届出を出していない「無届け老人ホーム」のなかに入居者の衛生や安全に問題がある施設があることが大きく取り上げられ,それを受けて…

Drコトーは総合医のヒーロー

厚労省元次官の辻哲夫氏が「総合医」について自説を述べられています。 時間外と往診、それが総合医の条件 - 日経メディカルオンライン(要ログイン) 今議論されている、「総合医」「家庭医」が、地域で求められるようになった背景には、社会の変化がある。死…

パンドラの箱が閉まるかも

首相、厚労省分割案を経財相に指示 諮問会議で - 日経新聞 麻生太郎首相は19日の経済財政諮問会議で、現在の厚生労働省を分割する案を検討するよう与謝野馨財務・金融・経済財政相に指示した。旧厚生省と旧労働省を統合した巨大官庁の非効率な縦割り行政への…

未知の状況における意志決定の難しさ

5月19日の感染地日記 - 新小児科医のつぶやき 感染蔓延地域からの貴重なリアルタイムの報告です。公式にはまだ新型インフルエンザが発生していないとされる地域と比較してみると,図らずも「ガイドライン対策実行による社会実験」の様相を呈しているようにも…

財務官僚から見たインフルエンザ問題

新型インフル、予算面で新しい措置講じなくても対応可=杉本財務次官 - ロイター 杉本次官は、新型インフルエンザ対策について、1)抗ウイルス薬「タミフル」「リレンザ」は十分な備蓄を確保、2)十分な医療体制も整備、3)仮にワクチンを製造する必要が…

医師「宿直」問題というパンドラの箱

いつも拝見している産科医療のこれからで参議院厚生労働委員会での質疑の模様が紹介されていました。最後の方から引用(一部体裁を変更)。 梅村聡議員(51:01) (前略)これによることでパンドラの箱をあけることになるかもしれませんけれど、いままさにここに切…

レセプトデータの使い道

総理大臣の諮問機関である規制改革会議から「規制改革推進のための3か年計画(再改定)」が先日公表されました。レセプトのオンライン請求義務化に関しては自民党内にも反対意見があったようですが,結局見直しは行われず,何もなければこれが既定路線となる…

選挙と医療政策3

南関東某市では市立病院休止を決定した市長に対するリコールが成立したそうですね。市立病院存続を公約に新たな市長が選ばれたとして取り得る選択肢としては,実際に病院を存続して赤字を拡大し続けるか,結局前市長と同様に存続を断念するか,どちらも無理…

後期高齢者医療制度導入1年

後期高齢者医療制度 導入1年 実態は - 産科医療のこれから当ブログ的に言えば1年前と比べると後期高齢者医療制度に関するエントリへの反応が随分変わったように思います。制度が世の中に認知されるのはいいのですが,問題は今後前向きな議論に繋がるかどう…

予防接種への動機づけ

昨年4月から3期(中学1年)と4期(高校3年)を対象とした麻疹風疹混合ワクチンの定期接種(公費負担)が始まっているのですが,集団接種ではなく個別接種と言うこともあり,各家庭に通知された年度当初こそはある程度接種を受けたものの,結局はそれほど接種率は高…

後期高齢者医療制度の行方

厚労省の「高齢者医療制度に関する検討会」の最終報告について各紙報道がされています*1。 高齢者医療で有識者が最終報告 現役の負担方法見直しも - 47news 舛添要一厚生労働相が主宰し有識者で構成する「高齢者医療制度に関する検討会」(座長・塩川正十郎…

大筋で了承

昨日のエントリで取り上げた審議会の続報です。 研修医5都府県で採用減 - 読売新聞 医師不足の一因になったとされる臨床研修制度について、厚生労働省は2日、必修の診療科数を削減することや、研修医の募集定員に都道府県ごとの上限を設けることなどを柱と…

医師の派遣とは何か

初期研修に関する文部科学省と厚生労働省の合同検討会の出した結論を踏まえてさらに具体案を固めるための会合が行われています。とにかく再来年度の4月から逆算して今年のマッチングまでには決めなければいけないためか,議論のスピードも速いですね。 研修…