医療政策

事業仕分けの極個人的感想

事業仕分けの様子をいろいろな媒体で観察していましたが,結局のところあれは例年予算編成の際に行われている「財務省による各省庁の評定」であって,今回公開されているのはそのうち比較的差し障りのない部分なんだろうと想像します。もっとも差し障りがな…

事業仕分けへの期待と不安

診療報酬、薬価対象に議論=11日、事業仕分けスタート−行政刷新会議 - 時事通信 政府の行政刷新会議の下に設置された三つのワーキンググループは11日午前から2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」の作業を始める。同日は診療報酬の配…

可能なら前倒しを

各紙で報道されていますが,コメント全文を掲載しているロハスメディカルより引用。 新型インフル「小児の予防接種スケジュール、可能なら前倒しを」 - ロハスメディカル 厚生労働省は6日、1歳から小学校3年生までの子どもと、基礎疾患を持つ小学校4年生から…

報道ステーションを見てみました

足立政務官が出演するとのことで報道ステーションを見てみました。 新型インフルエンザの流行が進み、ワクチンの接種を多くの人が望んでいるなか、ワクチンの接種回数に関し、一部の専門家と国の意見が分かれている。専門家の意見交換会(16日)では、20…

医師優遇税制と言っても

事業税優遇廃止案が浮上=開業医の診療報酬−来年度税制改正、政府・与党 - 時事通信 2010年度税制改正をめぐり、開業医の報酬に対する個人事業税(地方税)の非課税措置を廃止する案が政府・与党内に浮上してきた。政府税制調査会(会長・藤井裕久財務相…

報道による通達3

新型インフルエンザワクチン接種回数に関する報道には足立政務官も怒り心頭のご様子で,急遽会合が招集された模様です。 新型インフル 議論そのものを公開 足立政務官ヒヤリング - ロハスメディカル 実は金曜日の夜、大臣と臨時国会に提出する法案のことで協…

報道による通達2

報道によれば新型インフルエンザワクチンの接種が今日から始まるらしいのですが,当地では各医療機関が参加するかどうかの確認と自院の接種対象者の報告が行われた段階で,接種どころかワクチン自体もお目にかかっていません。どうやら各医療機関からの希望…

日本医師会も一蓮托生

中医協から日本医師会を排除 開業医より勤務医対策? - 産経新聞 長妻昭厚生労働相ら厚労政務三役は8日、診療報酬の具体的点数を決める中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)について、これまで3人いた日本医師会(日医)の代表委員を全員排…

報道による通達

新型インフルエンザに対するワクチン接種が10月19日の週から始まると決定されたことが一斉に報じられていますが,もちろん当院にはなんの通達も連絡もありません。公式には本日の担当課長会議で自治体に説明されるとのことですから,そのあとに接種する手順…

医療政策の優先順位付け

長妻厚労相、「来週までに事業の優先順位づけを」 - CBニュース 長妻昭厚生労働相は9月25日の閣議後の記者会見で、行政の無駄を省いて必要な財源を捻出するため同省各局に事業の優先順位づけを指示したことについて、「補正予算、本予算に限らず、これまでの…

タミフルの無診療投薬について

電話診察でタミフル処方OK 厚労省、現場に周知徹底へ - 47news 新型インフルエンザ感染者の急増による医療機関の混乱を防ごうと、厚生労働省は「再診に限り、電話による診察のみで抗ウイルス薬の処方を認める」との新対策を、先月まで2度にわたって都道府…

ワクチンの接種対象

ワクチン優先接種の持病は9種類 新型インフルで厚労省 - 47news 対象となるのは「慢性呼吸器疾患」「慢性心疾患」「慢性腎疾患」「肝硬変」「神経疾患・神経筋疾患」「血液疾患」「糖尿病」「疾患や治療に伴う免疫抑制状態」「小児の疾患」。 それぞれにつ…

厚生労働大臣はミスター年金

鳩山内閣の厚生労働大臣がミスター年金こと長妻昭氏に決定したとのことです。この方に対する評価は色々でしょうけど,「消えた年金」問題に関する当方の意見は下記の通りです。 分からないのか分からないふりをしているのかはともかく,前回の参議院選挙の争…

民主党政権の医療政策への期待と不安

民主党の医療政策については衆議院選挙のマニフェストや医系議員へのインタビューを拝見する限りでは,医療費を先進国並みに増やす,後期高齢者医療制度は廃止する,療養型病床削減は凍結する,官僚特に医系技官が主体の政策決定のプロセスを変える,といっ…

新型インフルエンザワクチンの集団接種

学校などでワクチン集団接種、厚労省が容認 - 読売新聞 新型インフルエンザのワクチン接種について、厚生労働省は8日、都道府県や政令市などの担当課長を集めた会議で、学校や福祉施設での集団接種を認める方針を示した。 新型インフルエンザのワクチンにつ…

ワクチン接種の優先順位

接種は医療者、妊婦・持病の順 新型用ワクチンの優先順位 - 47news 新型インフルエンザ用ワクチンの優先接種順位について、厚生労働省は4日、インフルエンザ患者を診る医療従事者を最優先とする同省案を発表した。第2位以下は「妊婦と基礎疾患(持病)のあ…

政策決定プロセスに関する見解

医療政策国民フォーラムという団体が,各政党に医療政策決定プロセスに関する質問を行いその回答を公開しています。この団体の主張に関しては必ずしも賛同するところばかりではありませんし,今回もかなり恣意的な質問が見受けられますが,選挙を前にして「…

麻疹ワクチンの接種率

はしかワクチン接種、昨年度は目標に届かず - CBニュース 昨年度から5年間に限り、新たにはしかワクチンの2回目定期接種の対象となった中1生と高3生の昨年度の接種率はそれぞれ85.1%、77.3%で、国が目標として掲げている接種率95%以上には届かなかったこ…

医療改革と財源選択

先頃二木立先生の新刊が出たので読んでみました。自分の理解を整理する意味でまとめてみます。医療改革と財源選択作者: 二木立出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2009/06/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る取り…

あえて日本医師会を擁護する

選挙:衆院選 診療報酬、国会で決定 民主「中医協を改革」−−公約原案 - 毎日新聞 岡田氏は22日、東京都内での講演で、中医協のあり方に関して「ほとんどは税金と保険料という公的なお金なのに、国会が関与できていないのは不思議だ」と指摘した。中医協の…

療養病床は高止まり

療養病床、削減進まず 医療機関の動き鈍く - 日経新聞 厚生労働省が医療費の抑制に向けて進めている「療養病床」の削減が難航している。2006年度の約35万床から12年度末に22万床まで減らす計画を掲げるが、今年になっても約33万床程度で高止まりしている。入…

部会とか分科会とか

来春の診療報酬改定に向けて議論が始まっていますが,議論のあり方そのものに対する厳しい意見です。 診療報酬改定の基本方針、何を議論するのか - ロハスメディカル 診療報酬改定を「医療部会」や「医療保険部会」、「中医協」、「その他の部会」などに分散…

時間外勤務の当直料は?

いつもはあまり真剣に読まない日本医師会雑誌ですが,今月号は「世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制」という特集に釣られて目を通してみました。特集もかなり勉強になりましたが,時間外勤務に関する江原朗先生の投稿論文(PDF:要会員ID)もなか…

市場主義型医療と社会主義型医療

イギリス医療はかつて社会主義型から市場主義型に向けて「改革」しようとして崩壊に至り,現在第三の道を模索している課程にあります。NHS内で診療ガイドラインを作成する業務に携わる著者は本書で,現在イギリスが目指す「保健医療改革」について詳しく解説…

新型インフルエンザ騒動の沈静化

もはや報道される感染者数と実態が相当かけ離れているだろうことは推察されるところですが,報道の扱いも当初と比べると着実に小さくなってますね。インフルエンザの沈静化とインフルエンザ「騒動」の鎮静化は別物,ということなんでしょう。別に騒げばいい…

日本医師会の転進

レセプトオンライン化義務化への対応に関する通知が日本医師会から末端会員向けに先日出てました。閣議決定に「原則」を明記させたので完全な義務化ではなくなった,と戦果を謳ってはいますが,勝利宣言するにはさすがに苦しいところです。具体的な対応指針…

パンデミック宣言

WHOが新型インフルエンザ(H1N1)の警戒水準をフェーズ6に引き上げたということで今朝の各メディアで大きく取り上げられていました。WHOの声明を読むと,パンデミック初期の現段階で感染力は中程度であり大多数は良好な自然経過を辿ること,若年者で重症化する…

日経新聞のアドバルーン記事

診療報酬、75歳以上「別建て」廃止へ 厚労省、2年で方針転換 - 日経新聞 医療費の膨張を抑えるため、2008年度に導入した後期高齢者医療制度の枠組みの一部がわずか2年で修正を迫られることになった。厚生労働省は75歳以上に限定して医療保険から病院などに…

財務大臣から見たインフルエンザ問題

新型インフルエンザ対策に関して,財務次官からは新たな予算措置は不要とのコメントが先日ありましたが,財務大臣としての見解はどうなのかというと,こんな具合です。 豚インフル対策「人と金惜しみなくつぎ込む」…与謝野財務相 - 読売新聞 与謝野財務・金…

無届け老人ホームは指導だけで改善しない

今年3月に群馬県の老人ホームで出火により多くの入居者が亡くなった悲惨なニュースはまだ耳に新しいところです。都道府県に届出を出していない「無届け老人ホーム」のなかに入居者の衛生や安全に問題がある施設があることが大きく取り上げられ,それを受けて…