診療

第4波とワクチン

大都市圏では春休み明けから予想通り(?)急激な新型コロナの感染者増になっています。片田舎の当地ではまだそこまでいきませんが、第3波と同様、しばらくして余波が来るのは想定され、また緊張の続く毎日になりそうです。 ワクチン接種のスケジュールもよ…

医療の不確実性と医療費抑制

本来医療は不確実な側面を有し、期待が完全に満たされるとは限らない。(その認識が)医療従事者と患者の間の信頼関係悪化を食い止める。 この文章だけを読めば,これまでに医療現場を知る方々が繰り返してきた主張であり,小松秀樹先生の「医療の限界」でも…

福島県立大野病院事件公判

本日7回目の公判です。前回の公判では検察側鑑定書の医学的根拠を根本から疑わせるような内容でしたが,司法関係者の方々は必ずしも医療関係者と同じ理解ではないのかも知れません。今後の成り行きには注目したいと思います。

被害者の処罰感情

かなり以前から指摘されていることですが,事故の被害者が嘆き悲しむのは当然のことであって,それを咎めるいわれはありません。ただし第三者がそれに引きずられて客観的な判断を誤ってはならない筈です。とはいえ現実には被害者の感情に引きずられた判断が…

「真実」の究明6

今日は大淀病院医療訴訟の口頭弁論の日。元産科医の先生が不当に責任を問われるようなことがないよう,適正な議論が行われることを願います。繰り返しになりますが,問題となっている不幸な転帰に関して,「真実を知りたい」という希望と,被告という立場に…

自然の力と文明の関与

人間の持つ生命力や治癒力は確かに素晴らしいものです。また医療に出来ることは限られたものであるという意見にも賛成します。しかしその一方で,現実には医療の進歩により助かった方も大勢いらっしゃるわけで,そのことを過小評価するのは「科学的」な姿勢…

受診制限による医療者の負担軽減

前回のエントリで「医師の待遇改善をするには受診制限しかない」というコメントを頂きましたが,医師の負担が余りにも大きく受診制限せざるを得ない事例というのは確かにあります。その場合,病院側にすれば外来診療による収入減という損失はもちろんのこと…

地域枠の拡大

弘前大医学部が地域枠拡大 地元推薦増狙う(cache) - デーリー東北 2007/08/23医学部の地域枠がその地域の医療事情を改善するかどうかは,実際に地域枠で入学した方が無事卒業して国家試験に合格し,自発的に当該地域で従事するようになるまで分からないと思…

志願医

竹田医師会病院:「志願医」が来月、着任 態勢手厚く(cache) - 毎日新聞 2007年8月23日 42歳でまだ小さな3人のお子さんをお持ちの先生がこの病院に赴任した経緯も内情もよく知らないので無闇な推測は避けますが,「志願医」という初めて耳にした言葉がとても…

映画『シッコ SiCKO』公開

今週末公開ですが,すぐ見に行けるかどうか不明。映画の内容そのものは勿論,日本でメディアにどう扱われるかに興味があります。前作をあれだけ持ち上げた以上は黙殺するわけにもいかないでしょう。畑違いの記者が見当違いの批評をするぐらいならまだしも,…

医師の交代勤務

医師の交代勤務を支援へ 導入病院に補助金 厚労省(cache) - 朝日新聞 2007年08月21日 同省では、交代勤務を導入した病院に対し、こうした補助金だけでなく、診療報酬の上乗せも今後検討する。 どこまで本気なのか分かりませんが,これまで実態を見ないふりを…

最後は自宅で2

明日の私:どこで死にますか 第2部・在宅療養支援診療所 1 最期は自宅で(cache) / 2 往診3万5000回(cache) / 3 自宅介護の悲劇(cache) では、「どこで最期を迎えたいか」−−。厚生労働省の意識調査(03年)では、病院が最も多く38・2%。老人ホ…

「エホバの証人」の論理

NATROMの日記 - エホバの証人の二枚舌 S.Y.’s Blog - おかしくない? SueMe SubLog - エホバとの攻防の思い出 輸血拒否は宗教上の理由であるといいながら,不正確な医学的説明をしているという話題。誰しも考えることでしょうけど純粋に信念の問題なら医学的…

死因究明委員会の攻防3

先日取り上げた死因究明委員会に関する東京新聞の記事。時事通信と同様なんとなく読んで違和感を覚えていたのですが,ロハスメディカルの川口記者に思い切り「虚報」と指摘されてました。

医療事故調査報告書の開示

医療事故:母の調査書開示請求を拒否 日医大千葉北総病院(cache) - 毎日新聞 2007年8月12日 出産後に障害が残った方の家族がたまたま病院の職員で医療事故調査委員会の開催を知り,報告書の開示を請求したが拒否されたとの記事です。一読していろいろと疑問…

まっとうな認識

2006年度の医療費0.1%増・”微増”に潜む問題とは - 日経ブロードバンドニュースMTL先生のブログモントリオール帰りの脳外科医の日々で紹介されていたニュース解説です。詳しい内容はこちらをご参照下さい。多くの報道は漠然と「医療費が増大して国の財政を圧…

死因究明委員会の攻防2

時事通信の記事では非常にあっさりとまとめられていますが, 医療死亡事故の原因究明に当たる第三者機関の在り方に関する厚生労働省の検討会は10日、中間的な方向性を取りまとめた。調査組織は、ある程度強制的な調整権限を持たせるため、法的に位置付ける…

この夏で天使は産科を降りた

脳外科見習いさん経由北海道新聞より。 天使病院 産婦人科医4人辞職へ 危険性高い出産に対応「経営側に不信感」 - 北海道新聞(cache) 関係者によると医師四人は「経営母体が頻繁に変わる理由や、移管先の経営内容について情報開示が不十分。経営側と信頼関…

IT化とコスト削減

IT化でのコスト削減効果はまだ見えない - 日経メディカル(要登録) 調査によると、電子カルテ/オーダリングシステムや、各部門の業務支援システムを導入した場合の、1病床当たりの年間の平均コストは62万2929円と推計され、対医業収入比率は3.9%に相当する結…

シッコ試写会

エンタメ×SiCKO(cache) - Yomiuri Online記事ではなくて広告企画なのであまりツッコミを入れるのもどうかと思いますが, コメント投稿 あなたの恐怖の医療体験を大募集! 「歯医者で麻酔がきかないまま抜歯された!」「盲腸の手術って簡単ですよね? と聞い…

北海道の行く末

自治体病院 道内30区域で再編案 道医療対策協提示、年内に構想策定(cache) - 北海道新聞 2007年8月1日 道内に九十七カ所ある市町村立病院の累積赤字は、二○○五年度で約千二百億円に上り、自治体経営を圧迫している。このため、区域ごとに中核病院をつくると…

日本医師会と参院選

厚生労働副大臣が落選したようです。日医幹部はともかく末端レベルでは会員ですら彼を支持していたようには見えなかったし,いずれにしろ日本医師会の残り少ない影響力も地に落ちるでしょう。これも既定路線なんでしょうけど。 追記: 自民党を離れた郵政反…

ウイルス性肝炎と予防医療

肝炎検査の委託、東京と福岡のみ 自治体、負担増嫌う(Cashe) 朝日新聞 2007年07月24日 肝細胞癌は特定の発癌因子が分かっていて予防する手段もあるわけですから,まさしく厚生労働省の提言する予防医療の対象だと思います。一番多いC型肝炎について言えば感…

当直室は病院の鑑

私は応援要請のあった病医院にお伺いする際は必ず産婦人科医の当直室を見せて頂きます。しかし、今まで一度も満足のいく当直室に出会ったことはありません。病医院が小さくスペースを取りにくいというならまだ許せますが、最近建て替えたばかりのバブリーな…

情熱大陸

情熱大陸 - 村上智彦(医師) 医師・村上智彦(むらかみともひこ)、46歳。 財政破綻の夕張市で、医療を変え、まちを変えようと本気で取り組む男だ。委託費など市からの資金は一切出ない中、累積債務の清算がおよそ45億円にのぼった夕張市立総合病院の運営を引…

福島県立大野病院事件公判

ロハス・メディカル ブログ - 福島県立大野病院事件第六回公判(0)/(1)/(2) 検察が起訴する根拠となった鑑定書を書いた御本人の登場ということで注目されます。証言を伺っていると鑑定の根拠は主に文献でありご自身の知見はほとんどないに等しい(執…

死因究明委員会の攻防

ロハス・メディカル ブログ - 死因究明検討会5 / 続・死因究明検討会5 記者の解説,というかツッコミが絶妙で読んでいる分にはとても面白い記事です。議論の内容そのものは笑えませんが...。厚生労働省が全力で責任回避をしているのがよく分かります。

To err is newspaper

医療事故目前の「ヒヤリ・ハット」、昨年19万件も(Cache) 読売新聞 2007年7月18日システム事故における「ヒヤリハット」報告の意味を分かっていない記事で,いまどき全国紙がこんな論調で扱うことにむしろビックリしました。

逆行性健忘

睡眠薬の副作用に健忘があることは当然の知識だと思うのですが,この見出しだと厚生労働省がそのことを忘れていて急に思い出したみたいに聞こえます。健忘に引っかけた訳でもないとは思いますが。 すべての睡眠薬で、「夢遊症状」の恐れ 厚労省が指摘(Cache)…

大学病院看護師増員

診療報酬改定:国立大学病院で手厚い看護師配置急増(cache) 毎日新聞 2007年7月11日大学病院看護師に対して悪印象ばかりなので申し訳ないのですが,もともと看護師としては業務量が少ないところへさらに人員を集めてしまい,本来供給すべきところがますます…