定額制医療


DPCの問題は以前コメントしましたが,当ブログなどで取り上げるまでもなくこういう結果になる事は充分予想できたことだと思います。

 厚生労働省は14日、1日の医療費を定額とするDPC(入院費包括払い)を試行・準備している731カ所の病院について、06年7〜12月に退院した約85万人の追跡調査結果(中間報告)をまとめた。03年度から試行している82病院は、06年の平均入院日数が02年の20・37日から16・83日に減るなど入院日数は短縮したが、「治癒」した患者の割合は12・51%から4・84%に落ち込み、長短両面の影響が表れた。

(cache) 医療費:定額病院の治癒患者減少、4.84%に 毎日新聞 2007年3月15日

「治癒」の内容が分からないと一概には論じられないとはいえ,一般の方にとって数字を見ただけでもショッキングなニュースじゃないかと思うのですが,その後続報もなくスルーされつつあるところを見るとあまり関心が持たれていないようにも見えます。医療費抑制という名目で定額制は外来や高齢者医療にも拡大される方針であり,近い将来に各地で医療難民の悲惨なエピソードが伝えられるようになる筈。それ自体も非常に困った事ではあるのですが,いざそうなったときに矛先が医療従事者に向けられる事も容易に予想されます。あくまでも政策の問題であることを一体どれくらいの方が理解して頂けるのか。