麻疹の流行と予防接種


麻疹の流行が広がっているようです。当地にはまだ発生していないようですが,報道を受けて予防接種の問い合わせもちらほらと来ています。麻疹の疫学や予防接種の制度についてはこの数年は正直きちんとフォローしていなかったこともあり,これを機に勉強し直しています。それにしても制度が何度も変わって分かりにくいことこの上ありません。


感染症情報センターのサイトがまとまっていて分かりやすいです。

同じサイト内の小児科の先生による教育講演も興味深かったです。

麻疹ワクチンの接種率が上がらない原因は種々あるであろうが,麻疹ワクチン副反応の過大評価と並んで,
 ア)アレルギーのある子どもは接種しないほうがよい,
 イ)熱性けいれんを起こす子どもは接種しないほうがよい,
 ウ)大人は麻疹ワクチンを接種できない,
  といった麻疹ワクチンに関する誤解も関与していると推定される。
 また,誤解とは言えないが,
 エ)本物の麻疹にかからないと強い免疫はできない,
と信じて麻疹ワクチン接種を避ける親も少数いるようである。

臨床医からみた麻疹の問題点


強い免疫をつけるために予防接種を避けて,あえて「本物」の麻疹にかからせるという発想もあるんですね。麻疹の合併症を考えたら自分の子供に同じ真似をする勇気はないですが,本邦で接種率が上がらないのもなかなか根深い事情があるようです。


追加:ここよりきちんとしたまとめ
内科開業医のお勉強日誌 - 麻疹対策(個人的まとめ)