報道機関への抗議


NPO法人えじそんくらぶ - フジ意見書


偶然見つけたのですが,フジテレビに対して放送内容の抗議を行ったNPO法人のサイトです。注意欠陥多動性障害に関しては詳しくないので内容についてはコメントは控えますが,書簡のやりとりは不謹慎な言い方ですが迫力満点でなかなか興味深いです。これを読んで思ったのは,個人が報道機関に立ち向かうことは相当な知略と気力が必要だということ。報道側の担当職員が接触してきても書面での回答を要求して追い返すのはすごいと思いましたが,考えてみれば安易に面会したら懐柔されてしまう可能性もあり(自分だったら丸め込まれてしまいそうです)それも立派な戦略なんでしょう。

もうひとつ重要なのは,これまた失礼な言い方ですが「虎の威」*1だと思います。このケースでは実績のあるNPO法人の代表であり,政府機関の肩書きも名を連ねているとなれば報道機関としても無視するわけにはいかず,プロデューサーやディレクターを引っ張り出すことが出来た訳です。何の肩書きもない一個人が抗議したところで電話口で苦情係にあしらわれるのが関の山でしょう。

このサイトによれば最終的にフジテレビから「謝罪」を勝ち取ったようです。ただ残念なのは,謝罪文(魚拓)が掲示されたのはHPの片隅しかも期間限定ということで,あまり多くの目に留まりそうもないことです。しぶしぶ謝っているのが目に浮かびます。

当たり前のことですが,正論が正論として通るほど世の中は単純ではありません。複雑な利害関係をうまく利用する戦術と困難を乗り切る精神力が必要です。政治家の資質といってもいいかもしれません。自分には全く欠けている資質でもあります。

*1:この方が「狐」という意味ではありません。