国政選挙

日本の医療の方向性を考えると、以下の3つのケースが考えられる。第一に、国民皆保険を維持しながら医療費抑制を続けるケースである。この場合、国民の医療費負担は少なくてすむが、国民全体が医療の高度化を享受できない可能性がある。第二に、国民皆保険を維持しながら医療費を拡大して、国民全体が医療の高度化を享受するケースである。この場合、国民は税・保険料の引き上げを覚悟しなくてはならない。第三に、国民皆保険を医療の基礎的な部分に限定して、高度医療などは公的保険の対象外とするケースである。この場合、公的な医療費負担は少なくてすむが、基礎的な医療を超える部分は所得に応じて受けることが考えられ、医療の平等性が損なわれる。

どの選択肢を選ぶかは、どのような社会を望ましいと考えるかに深く関わる。最終的には、国民の価値判断である。国民が適切な判断を行えるように、各政党には医療分野における質の高い政策論議を期待したい。

年金記録問題だけでなく、医療も参議院選挙の争点に


各政党としては選挙対策として「国民の医療費負担は少なくてすむが」「国民全体が医療の高度化を享受する」と言わざるを得ないんでしょうけど,そうこうしているうちに第三の選択肢へと舵が取られて,医療費負担は増えた上に医療の高度化は享受できなくなる方がたくさん出てくると思います。