放送は誰のものか


関西テレビ:「放送は誰のものか」 信頼回復のヒント求め(cache) - 毎日新聞 2007年8月17日 大阪夕刊

発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)発覚から7カ月。同番組を制作した関西テレビの報道局記者が、信頼回復のさらなるヒントを求め、アメリカのメディア事情を取材した。そのルポ「コーポレートメディア〜放送は誰のものか」(仮)が28日深夜、放送される。自社の不祥事と、ジャーナリストという立場の間で苦悩した記者が見たものとは。

自社の不祥事を検証するのにわざわざ渡米して取材する意味が不明*1。一介の現場記者が同僚や上司を直接取材するのが難しいのは理解できますが,非科学的番組を捏造までして放映する姿勢が問われている訳ですからせめて類似した話題を拾ってくるならまだしも,

迫川記者が取材したのはニューヨークにある非営利団体DCTV。35年前に日本人の津野敬子さんが設立した独立系のプロダクションで、貧困や医療問題などをテーマにした番組を供給してきた。番組ではDCTVが撮影技術の無料講座を開いたり、低所得者層などにカメラを渡し、大手メディアが扱わない市民視線のドキュメンタリーを制作する様子を「社会への還元」として紹介している。

ということらしいです。「市民視線」より本来の業務である「事実の報道」を全うすることの方がよほど「社会への還元」という題目に叶うと思います。本気で「市民に番組作りを委ねる」が捏造問題への回答だと思っているとするなら,要するに自分たちでは問題を解決する能力がないと言っているようなもので寂しい限り。まあそれはあくまで好意的な見方であって,本気で問題を掘り下げて根本的に姿勢を改めようとする気がない,というのがこの記事を読んだひとの普通の受け取り方ではないでしょうか。そもそもこんな内輪記事を掲載する新聞にしてから「新聞は誰のものか」とツッコミを受けて然るべきですが。

関西テレビ制作ですが,うちの地域で放映される可能性は低そう。どなたか視聴した方がいらしたら内容を紹介していただけると幸いです。

*1:そういえば「あるある」でもアメリカまで行って捏造インタビューをしていました。