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受診制限による医療者の負担軽減


前回のエントリで「医師の待遇改善をするには受診制限しかない」というコメントを頂きましたが,医師の負担が余りにも大きく受診制限せざるを得ない事例というのは確かにあります。その場合,病院側にすれば外来診療による収入減という損失はもちろんのこと,誰が苦情の窓口になるかというのが問題となります。制限する事情がどうであれ,患者からの苦情の矢面に立つのは誰でも避けたいのは当然です。とはいえ...。

先日分娩制限をしている施設の関係者に話を伺う機会がありました。その施設での分娩申し込みのシステムはよく分かりませんが,実際に分娩制限を説明して受け入れを断るのが助産師や看護師,ときに産科医といった現場スタッフらしく,とにかく説明に対する苦情,とくに泣いたり怒ったりと感情的な反応が多く時間的負担も精神的ストレスも大きいとのことでした。現場の負担を軽減するための分娩制限が新たな負担を生み出している訳で,これでは病院側が職員の労働環境を改善する気があるようには思えません。

イギリス型医療崩壊を見ても分かりますが,苦情を前線に丸投げしているようでは現場が荒廃してスタッフの逃散はむしろ促進されることになります。病院の方針として受診制限するのであれば(もとは現場の要望ではあっても),病院の責任において十分に周知するなり,苦情に対応する専従職員を置くなりして,本来負担を軽減すべきスタッフに出来る限り累の及ばないような対応が必要だと思います。