医学記事賞受賞記事


本紙連載「医療ルネサンス」ファイザー優秀賞(cache) - 読売新聞 2007年9月20日

 優れた医療記事に贈られる「第26回ファイザー医学記事賞」優秀賞に、本紙朝刊の長期連載「医療ルネサンス」が選ばれ、授賞式が19日、東京都内で行われた。

 この賞は、建設的で啓発性の高い医学・医療記事に贈られる。「医療ルネサンス」は読売新聞東京本社医療情報部が担当する連載で、「心と体に優しい医療の実現」をテーマに1992年スタートし、きょう20日で掲載回数は4189回となる。

不勉強でこんな賞があるとは今まで知りませんでしたが,1981年から続いている由緒正しいもののようです。新聞の医療記事の中には,問題点をよく勉強して掘り下げた良質なものから,取材の時点で既に偏見があるとしか思えなかったりおよそ見当違いな方向を向いているものまで様々です。良質な記事に対してはきちんと評価することで記者の質が向上することが望ましいとは思います。そのためには,某ジャーナリスト協会賞の如く内輪で賞賛しあうのではなく,外部の専門家から客観的な評価がされるべきでしょう。


ファイザー株式会社のサイトを見ると

本医学記事賞は、医学や医療の現実が適切な報道によって一般の人々に正しく理解されることを願い、1981年に「アップジョン医学記事賞」として設立されました。その後、「ファルマシア・アップジョン医学記事賞」「ファルマシア医学記事賞」と名称変更を経ながら、今年度をもって第26回を迎えました。これまでに受賞された記事は145点にのぼり、本医学記事賞の受賞記事のなかから、これまでに単行本として出版されたものは43を数えます。

プレスリリース - 第26回「ファイザー医学記事賞」発表

とあります。医療記事というのは賞の主旨にもあるように「医学や医療の現実が適切な報道によって一般の人々に正しく理解される」ことが第一ですから,記事の内容そのものだけでなく,世論に与えた影響も考慮すべきかと考えます。これまでの報道を見ていて思うのは,記事を掲載した後の社会的影響について,報道機関自らが検証することが少ないのではないかということです。


例えば,このファイザー医学記事賞における過去の受賞記事のなかには

大賞 『医心を問う − 検証・名義貸し』 読売新聞東京本社北海道支社

プレスリリース - 第23回「ファイザー医学記事賞」発表

という記事がありますが,これを含めた名義貸し関連報道がその後北海道医療に与えた影響について検証してみるのもいいかも知れません。