混合診療禁止は法的根拠なしに関する社説


混合診療禁止に関する判決を受けて朝日新聞読売新聞を除く新聞各社が社説で見解を表明しています。読売新聞に解説記事はありましたが,両論併記で今のところ態度保留といったところでしょうか。朝日新聞は今のところ評論的記事は見あたりませんがWeb版に転載されていないのか,もしくはそのうち出るのかも知れません。


日本経済新聞 - 混合診療で患者の選択広げよ(cache)

 混合診療には公的医療費の膨張を抑える効果も期待できる。日本医師会は保険診療の範囲拡大を求めている。確かに国民皆保険のもとでは、できるだけ多くの医療行為に保険を適用するのが理想だ。だが国や自治体、各種の保険運営者の財政状況をみれば適用拡大には限界もあろう。厚労省は控訴を断念すべきである。


産経新聞 - 混合診療 患者のため改めて議論を(cache)

 東京地裁は「保険診療に保険外診療自由診療)を併用した場合、保険が適用できなくなるとの法的根拠は健康保険法などには見いだせない」と法解釈上、この制度を否定した。
 これを機会に混合診療の是非と在り方を改めて議論すべきである。


毎日新聞 - 混合診療 国の説明は患者に届いてない(cache)

 仮に国が皆保険制度を維持するため混合診療の原則禁止を続けるならば、並行して行うべきことがある。一つは、混合診療で例外的に保険適用を認められる治療や投薬の範囲を広げること。二つ目は、諸外国に比べ承認が遅いといわれる新薬などを早期承認し、保険適用対象を増やすことだ。薬の副作用検査など安全性の確保はいうまでもない。それは患者の切実な声に応える道でもある。


日経新聞のようなある意味とても分かりやすい論説一色かと思っていたら,毎日新聞は慎重派というか,意外なくらい正論を述べているような気もします。産経新聞も積極的なんですがちょっと方向性がずれているような...。メディアも両論に分かれて,受益者である国民を巻き込んだ議論がなされることが望ましいと考えます。