科学的な番組作り


健康情報番組「S-コンセプト」の制作について - 関西テレビ

関西テレビでは「あるある」捏造問題で失った信頼の回復を念頭に、自主的にもう一度科学的要素を踏まえた企画を番組化しようという趣旨から、「科学的要素を含んだ健康情報番組」をテーマとして社内外に対し企画募集を行い、集まった85企画の中から6企画について、本年11月以降、来年3月にかけて主に土・日午後のローカル帯で放送していきます。
企画の選定に当たっては、「あるある」不祥事の反省に立って、「情報の透明性・正確性を確保する仕組みを演出的に取り込んでいるもの」を主に選びました。もちろん、制作にあたる過程で、6作品全てにおいて情報の正確性を確保するため、番組監修者を配置する等の仕組み、業務フローの構築も行ってまいります。

「S-コンセプト」の「S」はSCIENCE(サイエンス)のS。「科学」の面白さをどのように伝えられるのか、「科学」とテレビはどのような関係にあるのが望ましいのか、「科学」の持つある種の難解さをどうすればわかりやすく伝えることができるのか等を「健康」というテーマの中で実践していきます。


あるある大辞典」で失われた信頼を挽回すべくアメリカ取材を行うなど模索を続けていた関西テレビが,このたび新たな番組を制作するようです。「科学的要素を含んだ健康情報番組」などと謙遜せずに,全面的に「科学的根拠に基づいた健康情報番組」を目指して頑張っていただきたいものです。記念すべき第一回のプログラムは,

『ドクターハンドレッド』11月25日(日)放送 16:00〜17:25
巷にあふれるダイエット情報の中で、視聴者が気になるダイエット法のランキングをアンケートで集計。ランキング上位のダイエット法に関して、全国の内科・糖尿病専門医を中心にした医師100人にアンケートを元に、ダイエット法の科学的検証、賛否両論、メリット・デメリットを明らかにしていく。


とのことです*1。「あるある」で捏造がばれてしまったテーマをあえて選択するあたりは気合いの表れととっていいのでしょうか。科学的根拠に基づく知見を踏まえて番組を制作しようとすれば「カロリーをおさえる」「適度な運動」「バランスのとれた食事」といった,重要ではあるけど番組的にはあまり面白味のなさそうな提案しかできないような気がしますが,だからといって「○○を食べると体重が●●kg減った!」なんて安直で根拠のないことは決して言わない筈。当方にとっても『「科学」の持つある種の難解さをどうすればわかりやすく伝えることができるのか』というのは大きな課題ですから,「表現」のプロがどのように料理するのか,とても興味深いところです。

 

*1:残念ながら関西ローカルなので当地で視聴はできません。もしどこかに落ちていれば観るかもしれませんが。