弁護側完封勝利


先週行われた大野病院事件第10回公判ですが,ロハスメディカル周産期医療の崩壊を食い止める会それぞれに傍聴記が掲載されていました。これまでの被告側証人の方々と同様,被告人となってしまった医師の対処に医学的な問題はないことを証言,今回は検察からの尋問も見るべきところもなく終わったようです。川口記者のコメントによれば「弁護側の完封勝利」とのことでひとまず良かったと思います。少し気になったのは,

 公判後、期日間整理が行われ、弁護側が申請していた、医師法21条について、東京大学大学院法学政治学研究科の樋口範雄教授*1の証人喚問は拒否された。


という点です。この事例が業務上過失致死に当たるのかという議論の他に,医師法21条における「異状死」としてふさわしいのかという問題もあると思うのですが,裁判所が証言を却下したのはどういう意図なのか分かりません。業務上過失致死は認められなくても,この事例は異状死だから医師法21条に関しては有罪,なんて落としどころにならないことを願います*2

 

*1:ちなみに最近出した本を現在読んでいる最中ですが,なかなか興味深い内容です。

*2:もちろん司法に関しては専門外なので見当違いの心配かも知れませんが。