「真実」の究明7


奈良大淀病院事件の第4回口頭弁論があり傍聴記が複数のサイトで掲載されています。内容に関する議論もさんざんされているのでいまさらここで書くこともあまりないのですが,感想を少しだけ。


やり取りを読む限り,原告側は自分たちの望む結論に沿ったストーリーを組み立ててそれを根拠に被告の過失を主張しているように思えるのですが,その内容は何というかツッコミどころが満載であり,もちろん次回以降に被告側がきっちり反論するんでしょうけど,法廷という戦いの場ではそれも当然の戦法ということになります。ただしそうした手段を用いた時点で「真実」の究明は断念しなければならないと思いますが...。


提訴時の毎日新聞記事より再度引用します。「真相究明」という言葉に空しさが漂ってきます。

 奈良・大淀病院の妊婦死亡問題は、遺族と病院側が法廷で争うことになった。現状では、遺族が死亡の真相を知るには民事訴訟しかないからだ。裁判になると、原告、被告双方の目的は勝つことになるが、悲劇を繰り返さないため、病院には遺族と協力して真相究明する道を模索してほしい。

(cache)奈良・妊婦転送死亡:遺族、大淀町と担当医提訴 「異常見過ごした」 - MSN毎日インタラクティブ 2007年5月24日