メディアの功罪


医療福祉チャンネルで放映された「黒岩祐治のメディカルリポート」という番組の動画を拝見しました。福島県立大野病院の産科医逮捕事件とそれを報じたメディアの功罪について討論するという趣旨で,ゲストが福島県立医大の佐藤章教授,東大の上昌広准教授,民主党鈴木寛議員という豪華メンバーです。


検証!医療報道の光と影2〜大野病院妊婦事件 メディアの功罪1〜
検証!医療報道の光と影2〜大野病院妊婦事件 メディアの功罪2〜
検証!医療報道の光と影2〜大野病院妊婦事件 メディアの功罪3〜


解説がなぜ和田秀樹氏?という疑問は正直ありますが,語るべきひとが語っていて,しごくまっとうな内容という印象。メディア側としては,黒岩氏の言うように「警察が発表すればメディアは考える暇なく動くしかない」「記者クラブによる問題」という主張になるんでしょうけど,現実にその弊害があるということをまず認識して頂きたいところです。

ただ一方では,30分の番組にいろいろな情報を詰め込み過ぎなのでは,とも感じました。もちろん語るべきことはいくらでもあるわけだし,削りに削ってこれなんでしょう。逆に言葉が足りなければ,単に医師が自己中心的な主張をしていると誤解されるでしょうし,難しいところです。「時間」に制約のあるテレビというメディアの限界かも知れません。

考えてみれば,これだけシンプルな番組構成でも情報を伝え切るのが難しいのですから,ましてや地上波民放の自称「情報番組」はどれだけ薄っぺらい内容なんだろう,という話ですね。