報道機関への期待権


あえて朝日新聞から引用。


番組改変訴訟、市民団体側の逆転敗訴確定 最高裁判決 - 朝日新聞 cache

取材を受けた側が番組内容に抱いた「期待と信頼」が裏切られた場合に、放送事業者や取材した制作会社が賠償責任を負うのかが争点だった。第一小法廷は、「編集により当初の企画と異なる内容になるのは当然のことと国民に認識されている」と述べたうえで、「期待と信頼は、原則として法的保護の対象とはならない」との初めての判断を示した。

判決文を読んだわけではないし読んでも正しい認識ができるかは自信がありませんが,この記事を読む限りは,報道機関が取材を受けた側の「期待と信頼」に答えなくても原則的には不法行為とはならない,という判断のようです。あくまで公正中立な立場の報道機関という建前ですから,社会全体にとって取材先の意向に沿った記事や番組ばかりでは困る,というのは理解できます。

まあ,現実問題として,全面的な「期待と信頼」を報道機関に期待できると思っているひとも多くはないと思いますが…。もし「期待と信頼」を抱いていない報道機関に取材を申し込まれたときには,

  1. 取材に応じることで取材対象者に格段の負担が生じる
  2. 取材者が「必ず一定の内容、方法で取り上げる」と説明した
  3. その説明が、客観的にみて取材対象者が取材に応じる原因となった

の3箇条が満たされなければ取材拒否ということでよろしいでしょうか。