「後期高齢者」という流行語


毎年この時期になるとなぜか話題になる「流行語大賞」。一過性に話題になってもそのあとすぐに忘れられるようなからこそ,「そんな時代もあったね」と振り返ることもできるわけで,芸能ネタとか「アラフォー」みたいなマーケティングの臭いが強い業界用語といったあたりはまさに「流行語」と呼ぶにふさわしい言葉ですね。そうした意味で言うと「後期高齢者」が「流行語」に名を連ねているのは個人的にかなり違和感があります。後期高齢者制度が「後期高齢者」に該当する方々の生活に実質的な影響を及ぼさず,何年もたってから「あれは何だったんだろうね」という感想しかないのであればそれはそれで幸せなことなのかも知れませんが,このままだと必要な医療も介護も受けられない「後期高齢者」が世の中に溢れ,社会問題に至ってからようやく「後期高齢者」という言葉はその始まりにすぎなかったことに気が付くことになるんじゃないでしょうか。