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勤務医のための労務管理


病院・診療所のための労務管理―これだけは知っておきたい労働法の知識

病院・診療所のための労務管理―これだけは知っておきたい労働法の知識

開業して自分が雇用者使用者の立場になったのを契機に買ってみたのですが,院長クラスの年配医師を想定して書かれたためか,とても簡潔で分かりやすいです。こういう本はむしろ自分が勤務医の時に読んでおくべきだったと少し後悔しています。


例えば三六協定なしで時間外・休日労働をさせることができるための要件として必要に応じて労基署長の許可を得るとありますが,この本ではこのように解説されています。

病院・診療所においては,急病人の発生や事故など予期しない業務が発生した場合,三六協定が締結されていなかったり,三六協定の範囲を超えたりする場合には,この方法により対応することができます。ただし,救急病院等においては,常態として救急患者が搬送されてくることが予想されるため,基本的には三六協定により対応すべきものと考えられます。
p61 

三六協定で認められている時間外・休日労働は1週間に15時間,1か月に45時間が上限ですから,代休なしに夜間救急外来の「当直*1」に従事している医師であれば,自分のおかれた労働環境が明らかにおかしいことはこれを読んだだけでも分かります。厳密な条文の解釈まではできないにしても,必要があればYosyanさんの労使協定に特別条項を作れば、基準を超えて勤務させることができるかで紹介されているような条文に当たるなり,場合によっては専門家に相談なりすればいいわけです。


 

*1:もちろん労働時間から除外される「宿日直」ではありません。