日本感染症学会の緊急提言


既にあちこちで紹介されていますが,今朝当院でも従業員にも配布して今後の方針を説明しました。何だかよく分からない状況に対して不安を抱いているのは医療従事者もまた同様ですから,「どうすればいいか」を明確に示してもらえるのは心強いです。

7.医療従事者の感染予防にはサージカルマスク、手洗い等が効果的です

わが国の新型インフルエンザ対策では水際撃退作戦が重要視され、空港や港湾における検疫の強化が取られています。そこで行われる予防策では厳重な防護服やヘルメット、ゴーグル、手袋、等の着用が行われていますが、もし国内で流行が蔓延して爆発的に患者数が増加した際には全ての医療機関を多数の患者が受診することになり、これらはもう実用的ではありません。日本の医療従事者は一般市民と同様、新型インフルエンザに対して強い恐怖を抱いているという報告もありますが、ここまでで見たように、また、今回のS-OIVの内外での流行状況を見る限り通常の感染予防策で臨めば大きな心配はありませんし、万が一感染したとしても対応策は万全です。すなわち、医療機関では、サージカルマスクと手洗いを原則とした感染防止策で臨むべきと考えますが、重症肺炎を併発した新型インフルエンザ患者における医療処置(痰の吸引、その他)ではN95マスクやゴーグルなどの使用が考慮されるべきです。なお、必要に応じて抗ウイルス薬(オセルタミビル、ザナミビル)の予防内服も検討すべきです。

結果責任を問われる立場だとこの「大きな心配はありません」の一言がなかなか難しいでしょうね。もちろん受け取る側も,あくまで現時点で分かっている範囲であることは承知する必要はあるでしょうけど。