部会とか分科会とか


来春の診療報酬改定に向けて議論が始まっていますが,議論のあり方そのものに対する厳しい意見です。


診療報酬改定の基本方針、何を議論するのか - ロハスメディカル

診療報酬改定を「医療部会」や「医療保険部会」、「中医協」、「その他の部会」などに分散して審議するのは、責任回避・審議拒否のための便利なシステムだ。今回もその機能をフル活用するだろう。

細分化された医療政策の全てを同じ場で議論するのは困難ですから,専門分野ごとに検討することは理にかなっている筈なのですが,結局は反対意見をウヤムヤにするためのシステムにしかなっていないのではないか,というのは,これまで数々の会議を傍聴してきた記者としての実感なのかも知れません。当方が追いかけたのはごく一部のテーマに関する議論に過ぎませんが,同じような印象を受けました。


そもそも会議自体が決まった結論に沿って進行していることが多々見受けられるのも問題ですが,ある議題に付随して当然議論しなければならない事項が「それはここで議論すべきではない」と一蹴されてしまい,その割には取り立てて他の会議で取り上げられることもなく,最終的に総括する場では専門会議の結論が追認されるだけ,という流れはシステムを悪用しているようにしか思えません。

前回の改定で厚労省は、会議を分散する仕組みを巧みに利用した。(中略)社会保障審議会の両部会では、患者代表の委員からの要望に対し、「それは医療部会で議論していただく」「それは医療保険部会」という"たらい回し"もあった。

これは「たらい回し」の正しい用法ですね。


社会全体として社会保障削減一辺倒ではダメだろうという空気が出てきたとしても,その使い道を決める手続きに対して検証が不十分な現状では必要なところにお金が届かずにどこかに消えてしまい,結局は「無駄遣い」と指摘されることになってしまうのではないかと思います。