診療の録音と電子化


医師と患者のやり取りを録音 電子カルテと一括管理 富士通が開発 - 産経新聞

富士通は18日、病院での診療時に医師と患者とのやり取りを録音し、電子カルテと連動させて保存できるシステムを開発したことを明らかにした。医師が患者にどんな局面でどういう説明をしたか正確な記録を残すことができる。医療行為にかかわる説明が不十分もしくは不適切だとして医師が訴えられるケースが増えていることに対応した。こうした医療現場向けの記録システムは初めて。今秋をめどに提供を開始する。

最初この記事を読んだときには「また余計な付加価値をつけたIT商法か」としか思いませんでした。その手のセールスにはいい加減うんざりしていたからというのもあります。ところが,これに関してぐり研ブログさんのところで興味深い考察がありました。

最近クレーマーってやっぱり多い? - ぐり研ブログ

しかしこのシステムの面白いところは電子カルテと連動させて保存ということで、何しろカルテと一体なんですから勝手に削除したりすれば「記録改竄だ!」とお叱りを受けてしまうくらいで保存性は良好でしょうし、当然法廷にはカルテの一部として提出されるようになるんじゃないかと期待されるわけですよね。

電子カルテと同様に「真正性・見読性・保存性」の確保が課題でしょうけれど,確かにカルテという公文書の一部ということであれば証拠としての能力は認めてもらえそうな気がします。特に「医療の閉鎖性・密室性」を指摘するひとにとっても魅力的な製品ではないでしょうか。もちろん必要なコストは情報を透明化することで恩恵を受ける人間が公平に負担するのが筋というものですけれど。