タミフルの無診療投薬について


電話診察でタミフル処方OK 厚労省、現場に周知徹底へ - 47news

新型インフルエンザ感染者の急増による医療機関の混乱を防ごうと、厚生労働省は「再診に限り、電話による診察のみで抗ウイルス薬の処方を認める」との新対策を、先月まで2度にわたって都道府県に伝えた。しかし、現場に行き届いていないことが20日までの同省の調査で判明、あらためて周知徹底を図る。
対象となる患者は、慢性疾患があり定期的にかかりつけ医の診断を受けている人と、過去に発熱などの症状があり、同じ医師の診察を受けたことがある人。いずれも医師が薬の投与に問題がないと判断することが条件。
処方せんは患者が希望する薬局に医師からファクスなどで送られる。患者には外出自粛を求め、家族らがタミフルなどの薬を受け取る。患者本人は医療機関に足を運ぶ必要がなくなる。
医師法20条は、医師が薬剤を処方する際、原則として患者に直接会って診察しなければならないと定めているが、厚労省は「過去に直接診察を受けた患者に限っての措置なので、この規定には該当しない」と判断。5月と8月にそれぞれ、この方式を認める通知を都道府県に出した。


「慢性疾患があり定期的にかかりつけ医の診断を受けている」ことや「過去に発熱などの症状」があること,「同じ医師の診察を受けたことがある」ことは普段の状態がある程度判断できるというだけで,治療方針はやはりその時点での症状がどうかが重要だと思いますが,電話による問診だけでよいというのは,診断精度を落としてもよいと言っているのに等しいわけです。診断の精度を犠牲にした結果インフルエンザと鑑別すべき疾患が見逃されたり,結果として不必要なケースに投与して有害事象が生じることがあってもそれは社会全体の利益を考慮して許容すべきである,というのであればそれはそれで筋が通ると思うのですが,実際には「医師が薬の投与に問題がないと判断する」なんて難しいことをさらっと要求しているのはいつもの厚労省らしいといえばらしいところです。