実態と調査結果の乖離


実態としてルールが遵守されていない,むしろ遵守していたらシステムが成立しないような状況において,「ルールは遵守されるべきである」という建前によって実状把握が妨げられたり,もし把握しても公にして改善に結びつけることができないことが多々あると思われます。


例えば,交通量や物資の流通を予測する際に,自動車が法定速度を遵守している前提で計算した結果は,事業計画としてどのくらい役に立つものなんでしょうか。


自分の業界での事例もいくつか思いつきますが,労働基準法が遵守されていることを前提に適正な医師数を算出しようとしたり,あるいは保険適応可能な範囲で適切な診断や治療が行えることを前提にレセプトのデータを活用するという主張が好例でしょう。当然の帰結としてそんな現状が改善に向かうことはないわけですが…。