スーパードクターの弊害


「スーパー名医」が医療を壊す (祥伝社新書187) (祥伝社新書 187)

「スーパー名医」が医療を壊す (祥伝社新書187) (祥伝社新書 187)

医療ドラマに登場する「名医」にツッコミを入れつつ,医療崩壊について語る一冊。タイトルは釣りっぽいですが,実は問題の本質を突いているように思います。医師の数や医療費だけでなく,医療の限界を理解せず実現不能な要求がされる風潮こそ問題ではないかという主張ですが,ゴリゴリの理論で押すのではなく,口調がとても柔らかいために一般の読者にとってはそれほど反発を感じないかもしれません。常日頃から医療系ブログを巡回しているような読者にとって目新しい内容ではないのでしょう(というか,筆者自身も医療ブログ界隈にはかなり出入りしてそうです)けど,ツッコミの入れ方が上手なのでそれなりに楽しく読むことはできました。医療ドラマではなぜかすぐに屋上に登りたがる…なんてのは言われたらたしかにそうですよね。