国民皆保険制度のメリット


ssd先生の記事にTB…しようと思ったらできない模様。

国民皆保険制度とは、
国にとっては医療費を抑制する世界でもっともうまくいっているシステム
「厚生省」官僚にとっては、許認可権という権力の源泉・象徴
保険者には、国と同様給付水準を下げ止まりにしておくいいシステムであると同時に、他業種の参入を防ぐ大事な役割
という面があり、国民皆保険制度の維持は、絶対に譲れないところです。

たしかに混合診療を導入すれば自由診療分だけでなく公的保険分も一緒に増大することはアメリカの事例を見れば予想はできます。財務省がどこまで認識しているのか不明ですが,すくなくとも厚労省は分かっているでしょう。民間保険会社がcherry pickingを行うことで公的医療保険の財政も悪化する事態は,保険者にとっても望ましくないはずです。

厚労省の保険診療に関する既得権という面から考えると,混合診療は当然避けたいとしても,消費税を財源とした公費負担の割合が増えるのもあまり好ましくないことになります。逆にいうと,財務省からすれば一定の公費負担を続けることで,医療費に口を出せるわけです。

こちらとしては金の出所はどうでもいい,といいたいところですが,財布の主導権を握っているのが厚労省財務省のどちらがいいかということになると,あくまで比較のうえでは,まだ前者のほうがましと言わざるを得ないでしょうね。