しっかりやれば減らさない


当分のあいだ中医協関連の話題が多くなります。基本「どこまで悪くなるか」という立場ですが,個人的に切実でもあり,つい取り上げてしまいますが大目に見てください。


地域医療しっかりやる開業医は診療報酬減らさない 足立政務官 - CBニュース

中医協に諮問した診療報酬改定案について、今は諮問してパブリックコメントもいただいている段階なので、強制するわけではないが考え方を少し説明しておきたい。開業医の再診料を全部下げるとかいう報道もなされているが、そんなに狭い話ではない。
地域医療をしっかりやっている所。たとえば24時間とまでは言わないまでも時間外の対応や紹介、日常の診療や説明もしっかりやっている開業医について、再診料と外来管理加算の合計額を減らすつもりはない。しかし、そうじゃない人たち、今後、退院後の紹介管理や通院での検査や化学療法などが重視されるという流れの中で、ほとんど投薬しかしてなくて9時5時であとの時間は連絡も取れないというような、その人たちと同じ評価でいいのかが問題だ。
大原則として、しっかり地域医療をやっている人の外来診療報酬は守りたい。そういうことをやってない条件を満たしてないような人のものを減らすのはやむを得ない。そこを削らないとプラスする財源が出てこないのだから

上の発言を聞いて診療所の診療報酬はむしろ増えると喜ぶひとはまあいないでしょう。改定率とかを考えれば限られた枠内で何とかするしかなく「診療所の取り分は原則減らすけど条件を満たせば例外として下げずにおいてあげる」くらいの解釈が妥当と思われます。一般企業でいえば「成果主義」が給与増ではなく,むしろ減給の口実に利用されるようなものです。多くの診療所にとっては(もちろん当院も)現在でも経営は楽ではなく,これ以上診療報酬が下がればダメージは大きいでしょうけど,現政権下では総額が変わらず,病院,とくに公的病院優先の路線は確定しているわけですから今さら言っても始まらないでしょう。

ただ考えてみれば「時間外の対応や紹介,日常の診療や説明」なんて大部分の診療所(少なくとも当方の知る範囲では)はそれなりにやっているわけで,本当にそこからほかに回す原資を確保しようとすれば,非現実的な要件を設定して,実際にはほとんど請求できなくするしかありません。そのあたりの帳尻合わせは5分間診療の件で分かったように厚労省側にしてみればお手のもので,やるときはデータを捏造してでもやることは周知の通りです。個人的には,患者さんのためにできる範囲のことはやっているつもりでも,減らす口実のために「お前のところはしっかりやっていない」呼ばわりされるのは非常に腹立たしいだろうなとは思います。