日本医師会と選挙制度


日本医師会の新会長が会長選挙を直接投票制にしようと仰っているようです。これまでは会長を選出する代議員をさらに選出する市町村医師会長を形式的な挙手で選出するといった感じで,間接選挙と呼ぶのも憚られる状態でした。また会長に直接投票できるクラスの先生ともなると「医師の代表」どころか「開業医の代表」とすら言い難いわけで,そうした方々が日本医師会という団体を運営してきた結果ご覧の有様となった次第です。

末端会員を含めた直接投票となれば執行部もその意向を無視するわけにもいかなくなりますが,逆に厳しい締め付けがあったり選挙活動に駆り出されたりといった弊害も出てくるだろうということは,直接投票制である弁護士会の模様をネットで拝見しているだけでも予想はできます。まあそのあたりは民主主義のコストということになるんでしょうけど。

そもそも新会長が直接投票に言及したのは,直接選挙になれば自身の地位が確固としたものになるという自身がおありなのか,それとも直接選挙になったことで自身が地位を失っても組織のためになればいいとお考えなのか,そのあたりは当方には窺い知れませんが,ぜひとも万難を排して制度改革を遂行して頂きたいと個人的には思っています。