連休前の対応

連休前にかかりつけで咳止め2週間分、「熱が出た時用」抗生物質1週間分を出されたという子どもが、 熱が下がらないと来院。いくら連休中休診でもこんな処方はNGだ。親もこんな処方に喜んだり安心したりしてはいけない。これは「念のため」ではなく「テキトー」な処方だからだ。

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これは極端だとしても,連休前にはとりあえず何か処方してもらえば安心という気持ちが患者さん側にあって,医師がそれに応じてしまうケースは珍しくないのだと思います。それでも休日外来を受診してしまう以上,実際にはそうした処方が患者さんの安心に寄与していないわけで,処方が「テキトー」だからダメという以上に,患者さんの受診行動への方向付けが失敗しているといえます。当方も勤務医時代の日当直や医師会の休日当番で同様のケースをよく経験しましたから,当院での診療では,多くの典型的な急性期疾患については,予想される臨床経過とその対処を説明して,「休日・時間外でも受診するべき状態」がどういうものか理解して頂ければかなり違うような気がするし,できるだけそのようにしています。ただ,それでも休日に基幹病院の救急外来を受診した患者さんまでは把握しきれないので,効果があるのかいまひとつよく分からないのですが。だったら休診中でも対応しろ,という話になるのでしょうし,じっさい気がかりな患者さんについては連絡できるようにはしているのですが(この連休中は幸い問題ありませんでした),患者さんの安心のために際限なく対応すればよいというのは,それが開業医であっても病院であっても,正しくない受診行動への方向付けを助長する「テキトー」な対応策のように思えます。