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意志決定における専門家の責任


某所での議論を見て思ったことですが…。

意志決定は,対象が何かの専門領域に関することであっても最終的に当事者が行うというのは確かにその通りです。専門家の立場としては,当事者がメリット・デメリットについて検討して出した結論であれば,それが一般的に推奨される方針と異なるというだけで無視するべきではありません。ただしその前提条件として,当事者が判断を下すために当該領域の適切な情報が提供されていることは必要ですし,言い換えると,意志決定における専門家の責任はどれだけ適切な情報を提供したのかという点にあると考えます。専門的で一般には分かりにくい知見を制限された条件下でいかにして伝えるかという技術的な問題はあるにせよそれ以前に,当事者が決めることなのだから専門家が強権的に口を出すべきではない,というのでは逆に当事者の権利が損なわれてしまうことを危惧します。例えば「最終的には国民の判断」とか「患者の自己決定」というフレーズは,そこだけ読めばその通りなのですが,適切な情報の提供という前提について検討の余地はあるのではないかと思います。