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尊厳死と医療費


直接見ていないのですが,昨夜報道番組で石原伸晃氏が尊厳死について発言していたようです。

以前にも胃瘻による経腸栄養を「エイリアン」と表現したことを併せると,どうも延命治療に対してかなり否定的な考えをお持ちのように見受けられます。回復する見込みもないのに延命してほしくないという気持ちを抱くのは当然といえば当然かもしれませんが,一般人ではなく政治家として政策を語る立場であれば,回復する見込みがないのに延命治療するまでに至っている社会的背景,あるいは回復する見込みがあるのに延命の中止を余儀なくされているという現実への目配りが欠けているように思います。

もし終末期の尊厳が失われることが問題だとするなら,その解決のためには今以上の医療・介護・福祉といった社会保障とその財源が必要になってもおかしくはないわけで,そもそも増加する社会保障費に対する解決策になっているのかどうかも疑問です。なっていると言い切るからには,尊厳を守るという本来の目的を解決するつもりはないということなのか,そこまで考えていないのかのいずれかでしょうか。

「非常に誤解を招」くというのが,あくまで個人の信念であって他者に強制するつもりはないという意味なら,司会者の「切るものは切らなければいけない」「削るものは削らなければいけない」という前振りに呼応して発言する必要はないわけです。おそらくは善意から出た発言と想像しますが,善意であればこそなおさら危うさを感じます。