日常と非日常

新型コロナウイルスに関して専門的なことを書くような力量はありませんが,このあたりであくまで個人的な記録を残しておくことにします。

中国で新型の肺炎が発生したという記事が載っていたのが昨年の大晦日でした。限られた地域で終わるのかな…と思っていたらあっというまに流行は国境を越えて広がり,2月には寄港したクルーズ船内での発生,3月にWHOからパンデミックが宣言され,4月には政府から緊急事態宣言がなされています。発生数の急増とともに医療崩壊が懸念される一方,予定されていた行事や活動はすべて中止,外出も憚られ,あまりの急展開に非現実感も漂います。

感染拡大そのものについては,保健所をはじめとする公衆衛生関係者,医療現場,そして疫学の専門家による尽力と,社会活動の低下に対する忍耐,そしておそらくは日本に特有な未知の要因によって何とか感染爆発は抑えられ,ピークアウトが見えてきたのが現状です。

とはいえ新しいウイルスが一筋縄ではいかない代物で,流行を抑えるためにはどうやら以前のような日常にすぐ戻るわけにはいかないらしいことも分かってきました。単に非日常から日常に戻るというよりは「新しい日常」に着地することを目指すことになるとして,しばらくは落ち着かない日々が続くのでしょう。短期間ならどうにか耐えられても,長丁場となると不満が出てくるし,専門家とそれ以外の方々とのリスクコミュニケーションはむしろこれからが難しい局面となる気がします。