読書感想「実践・倫理学」

コロナ禍のさなか、感染対策のために個人の権利にどこまで介入してよいのかという問題が生じることをしばしば見かけていたのですが、そんな折にYoutubeで「パンデミック倫理学」と題した動画を見る機会がありました(現在も視聴できます→https://www.youtube.com/watch?v=UL14YlKEglc&list=PLRdmV4a9IuG0_wHpSERbCDbb87aOUuKAx)。

興味深い内容だったので、同じ先生がちょうど最近出された入門書を読んでみました。

本書では死刑制度や安楽死、喫煙、ベジタリアニズムなどの倫理的問題が取り上げられていますが、それぞれの議論を深めるというよりは、それらの題材を通して倫理的な考え方を身につけることを目標としているようです。ややもするとこうしたテーマに「正解はない」という結論に飛びつきたくなりますが、いろいろな考え方がある中で、そのひとつひとつを一貫性のある基準に基づいて吟味していくのは、確かに一種の訓練が必要なのでしょう。逆にいえば、そうした訓練をしないまま現実の倫理的葛藤に直面してしまうと、極論に流されてしまう危険性があるといえるのかもしれません。その意味では古くて新しいテーマなのでしょうし、個人的にはとてもタイムリーな一冊でした。

自己決定とパターナリズム2

以前から気になっていた映画をアマプラで鑑賞しました。

フェアウェル(字幕版)

フェアウェル(字幕版)

  • オークワフィナ
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NYに暮らすビリーと家族は<嘘>の結婚式を口実に、余命わずかな祖母に会うために中国へ帰郷する。本人への告知を巡り対立するビリーと家族。帰国の朝、彼女たちが選んだ答えとは?

本人よりも家族による意思決定を重視する文化では、不治の病のような悪い情報を本人に知らせるべきではないという信念は根強く、このようなアジアなどにみられる「集団的な価値観(collective cultural values)」が意思決定に与える影響についてはこちらの本の中で解説されています。

こうした伝統が「患者を中心に今後の治療やケアについて話し合いを繰り返すプロセス」であるACPの考え方との間に軋轢を生むこともあります。「患者を尊重する」というコアの部分は同じですが、尊重の仕方が真逆だからです。(p.33)

つまり、本人のためという部分が「自律」を重んじる立場ではパターナリズムと批判されることになるわけですね。この作品ではアメリカで育った主人公が、まさにこの軋轢に悩む過程が描かれます。といってもコメディ寄りのエピソードが多く、気軽に観ることができます。最後の最後で驚きの展開をみせ(正直、反則だと思いますが)、少なくとも後味が悪い作品ではありません。今ならアマプラで無料になっているので、興味のある方はどうでしょうか。

新年とコロナ

あけましておめでとうございます。

新しい年を迎えましたが、年の瀬になって新型コロナの流行が拡大傾向に転じていたところで、これから年明けの動向が気になるところです。思えば昨年は第4波・第5波がこの片田舎にも到達し、並行してワクチン接種の個別接種・集団接種に追われるという、結局新型コロナに振り回される一年になってしまった感があります。

せっかくみんなで頑張ってワクチン接種を進めた(当地域の2回接種率も80%を越えました)ので、今年来るべき第6波ではその効果に少しでも期待したいところですが、そのあたりは変異株と追加接種、あとは年末年始の人流次第ですね。いずれにしても当面警戒体制は解除できないようです。

というわけで、今年も意欲と余裕があれば随時更新したいと思います。引き続きご愛顧の程をよろしくお願いします。

 

これだけでは何ですから、今週のお題である「買ってよかった2021」をいくつか挙げておきます。参考になれば幸いです。

社会保障の問題は経済や社会とも関わってくることを分かりやすく解説されています。民主主義を維持するためには中間層を支えて分断を防ぐ必要があるし、国民が作り出した付加価値を分配する手段としての社会保障が重要…と理解しました。

以前からジェットストリームのボールペンはインク自体は唯一無二なのに対して、軸の出来が使い勝手にしても耐久性にしてもいまひとつという印象が強く(個人の感想です)、他社の軸に替芯を移植して使っていたのですが、この製品に関しては適度な形状と重さで書きやすいし、造りもしっかりして高級感がありかなりよい出来です。0.28mmの極細芯で展開されている製品ですが、当方は0.5mm芯に交換して仕事用メイン筆記用具として使っています。

コロナ禍で自分史上最大の体重増加を来したため、興味半分もあって購入してみました。これまでスポーツというか運動そのものの経験が皆無なうえ、飽きっぽいこともあって期待はしていなかったのですが、予想外に続けることができました。RPG風のアドペンチャーモードはせいぜい1週間もあればクリアするのかと思いきや3か月たっても終わる気配がなく、4か月過ぎてようやく最終ステージに入ったところです。まさかの年越え。飽きないのは至る所にしかけられた興味を途切れないようなギミックが寄与するところが大きくて、このあたりはゲームメーカーの本領発揮でしょう。ゲームそのものを楽しむだけでもいいのですが、個人の感想としては、体重が減って(コロナ禍以前より減った)楽になっただけでなく、適度な運動によるメンタル面の改善が予想外によかったですね。