日常と非日常

新型コロナウイルスに関して専門的なことを書くような力量はありませんが,このあたりであくまで個人的な記録を残しておくことにします。

中国で新型の肺炎が発生したという記事が載っていたのが昨年の大晦日でした。限られた地域で終わるのかな…と思っていたらあっというまに流行は国境を越えて広がり,2月には寄港したクルーズ船内での発生,3月にWHOからパンデミックが宣言され,4月には政府から緊急事態宣言がなされています。発生数の急増とともに医療崩壊が懸念される一方,予定されていた行事や活動はすべて中止,外出も憚られ,あまりの急展開に非現実感も漂います。

感染拡大そのものについては,保健所をはじめとする公衆衛生関係者,医療現場,そして疫学の専門家による尽力と,社会活動の低下に対する忍耐,そしておそらくは日本に特有な未知の要因によって何とか感染爆発は抑えられ,ピークアウトが見えてきたのが現状です。

とはいえ新しいウイルスが一筋縄ではいかない代物で,流行を抑えるためにはどうやら以前のような日常にすぐ戻るわけにはいかないらしいことも分かってきました。単に非日常から日常に戻るというよりは「新しい日常」に着地することを目指すことになるとして,しばらくは落ち着かない日々が続くのでしょう。短期間ならどうにか耐えられても,長丁場となると不満が出てくるし,専門家とそれ以外の方々とのリスクコミュニケーションはむしろこれからが難しい局面となる気がします。

長谷川和夫先生と認知症

認知症診断の生き字引的存在といえる長谷川和夫先生が認知症と診断されたニュースは一昨年あたり耳にしていましたが,今回ご自身でその経緯を本にまとめられました。 

認知症(当時は「痴呆」)診断の歴史とか,長谷川式スケール開発の裏側といったトピックも面白いのですが,なによりタイトルにもある,当事者としての認知症との向き合い方が本書の主題だと思います。長谷川先生自身,認知症の症状がこれほど変動するとは専門医として考えていなかった,と仰っている通り,当事者でないと分からないこともたくさんあるのでしょう。

何かを決めるときに,ボクたち抜きに物事を決めないでほしい。ボクたちを置いてけぼりにしないでほしいと思います。

第3章 認知症になってわかったこと p69 

このあたりは意思決定支援とかパーソンセンタードケアといった概念は知っていても,当方自身が本当の意味でやるべきことをやっているのかを問われている気がしました。

つい先日はNHKスペシャルでも取り上げられていました。

こちらは長谷川先生を支える奥様や娘さんとの関わりを中心とした構成で,病状の進行が容赦なく映像に捉えられていることもあって著作とはまた違う印象でしたが,それでも「認知症になっても見える風景は変わらない」というメッセージは共通しているのだろうと思います。

スカイウォーカーの夜明け

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

このブログも更新頻度がどんどん低下していますが,医療とか社会保障の話題だとどうしても下調べで止まってしまうので,このあたりで本や映画といった本来の日記路線に戻ってみようと思います。というわけで今回は年末に鑑賞したスターウォーズエピソード9の感想です。 

前作を観たときは「予想外の展開だけど一体この後どこに着地するつもりなんだろう…」と不安にかられましたが,今作で一応破綻せずに話がまとまったので安心した…というのが正直なところです。「スカイウォーカーの夜明け」って一体何のことだろうと思っていたけど,終わってみたら確かに「スカイウォーカーの夜明け」と呼ぶにふさわしい終わりかたで,よかったのではないでしょうか。個人的には満足です。

ただ冒頭,恒例のタイトルからプロローグが始まってすぐ,ある人物の名前が出てくるところで個人的には「え?」という唐突感がありました。これはきっと前作で何か伏線が張ってあったのを見逃していたんだろうと思い,帰ってから一度エピソード7・8を見返してみたのですが,特にそれらしい箇所は見当たりませんでした。もしかしたら前作製作後に軌道修正とかがあって設定が後付けされたのかもしれませんが,どうも釈然としないところです。

あと細かいことですが,主人公が解読して重要な手がかりとなる本ですが,あれって前作で燃えてなくなっていたはずなのに,いつ回収したんだろう…と余計なことが気になってしまいました。どうでもいいですね。