オホーツクに消ゆ


北見赤十字病院:院長、会見し陳謝 1次医療受け入れ削減(cache) - Yahoo!ニュース 1月26日

 3月で内科診療を休止する北見市の北見赤十字病院(680床)の小沢達吉院長(70)は25日、北見市役所で記者会見し、「地域への多大な迷惑をおわびする」と陳謝したうえ、医師不足対策として入院治療の不要な1次医療の受け入れを削減する意向を明らかにした。


一昨年江別市立病院内科医退職の一件について当方は次のように述べました。

 そうした総合病院,特に地方基幹レベルでは医師の供給に対する受診が多すぎて,個々の医師が限界近くまで無理をして何とか需要を満たしている。見かけ上はバランスが取れているが,実は予備能が低下している状態といえる。何らかのきっかけ,例えば急激に患者数が増大する,医師数が減少するなどして閾値を超えるとあっけなく崩壊することになる。

http://drpooh.exblog.jp/3379710/


「内科」(というと紛らわしいのですが,呼吸器・膠原病・代謝内分泌を担当しているようです)の医師が全員退職して後任の目処が付かないということですから,4月以降は残る消化器,循環器の医師に負担がかかってくることになるんでしょう。放置しておけば残る内科医も限界を超えていなくなってしまうだろうことは自明ですから,「一次医療受け入れの削減」という方針も,それを病院長の名前で公表したことも方向としては間違っていないしとは思います。

問題はいかにして有効性のある受診の「削減」を実行するかでしょう。来院された方と現場スタッフとのトラブル,外野から様々な圧力は容易に予想できます。それに対して病院側に毅然として立ち向かうだけの腹が据わっていればいいのですが,よく考えてみればそれほど医師を守ろうとする病院だったら全員退職なんてことがそもそも起きるはずもないような気もします。ともあれ,現場に丸投げするようなことだけはやめて欲しいものです。

こうした問題はオホーツク地域に止まるものではなく,道東,道北,道南,いずれも火種を抱えているわけですから,崩壊の前線が札幌に向けて進んでくるというのも妄想とは言えないと思います。くらいふたーん先生の言うとおり,まさに「明日は北見」という状況なわけです。