結果として誤用


テレ朝、番組で紹介のブログ自作 誤解与えると陳謝 - 47news

テレビ朝日が10日に放送した情報バラエティー番組で、「情報源」として紹介したインターネットのブログは、実際はスタッフが番組用に自作していたことが12日、分かった。同社は「ネット上に実際にあった情報を基に作ったため捏造ではないが、結果として視聴者に誤解を与えかねず、申し訳ない」としている。


バラエティ番組の「演出」に関しては,まあいつものことですから腹も立ちません。この記事で気になるとすれば「結果として視聴者に誤解を与えかねず」という一節でしょうか。当方の日本語感覚としては「結果として」という枕詞は「不可抗力や偶然のため予期せぬ結果を招いた」という文脈で用いると思っていましたが,今回は情報を捏造したことを釈明する場面ですから「結果として」というのはとても違和感があります。真っ当に取材していたと思ったらいつの間にか捏造していた…なんてことあるんですかね。


まあ言葉というものは時代とともに意味が移り変わるものだし,誤用が積み重なって本来の意味と入れ替わることも珍しくありませんから,最近では確信的にやったことでも「俺のせいじゃないよ」という意味合いで「結果として」という言い回しを使うようになったのかも知れません。もしそうだとすれば,本来の意味で「不可抗力や偶然のため予期せぬ結果を招いた」ような状況を説明するのに「結果として」なんて言葉を使うのは要らない疑念や憶測を招くもとになるので要注意,ということなんでしょう。