医師会と行政


個人が行政と個別に交渉するというのは負担が大きいし条件も個人にとって不利になりがちですから,所属している地域の医師会がこれを代行してくれるのはひとつのメリットといえます。そのかわりに,医師会運営に関わる雑用や,場合によっては行政からお願いされた業務を会員を分担しなければいけないデメリットもあり,いまのところは所属しているメリットのほうがまだ大きいような気はしています。ところがこれが全国規模になると,厚労省という行政組織と交渉すらさせてもらえず,その一方では会員個人に対しては規範を求めたり発言を制限しようという動きは妙に活発で,天秤がデメリットへと急速に傾いている感じです。まあ医師会に限らず,組織というのは大きくなるほど中枢と末端の距離が広がるものなのかもしれませんが…。会長選挙の争点が政権党との距離をどうするか…なんていう光景を見ていると,組織が末梢のほうから自壊していくのも遠くないんだろうなと思ったりします。いまさらの話ですが。