北海道弁


最近すさんだエントリばかり立ててしまったので,たまには心がなごむ話題を。

北海道に住むこと15年,だいぶこちらの方言にも慣れ親しんできました。お年寄りが「ゆるくない*1」とか「体がこわい*2」というときのニュアンスは,正確に標準語へと翻訳するのが難しいのですがなんとなく実感として分かるようになってきました。このところしばらく,自分の外来はこれで最後であり次から他の医師の診察を受けるようにと説明しているのですが,お年寄りがよく「そうかい,それはいたましいねえ」と口にします。いたましい=痛ましい,と解釈すると意味が通らず,よく分からないけど残念とかそういう意味だろうと曖昧に返答していたのですが,あとで訊いてみると「もったいない」「惜しい」という意味だったのですね。「また医者が変わるなんて...」という不満系の反応もけっこう多いのですが,この「いたましい」という言葉からは感謝の気持ちが伝わってきてすこし嬉しくなります。こういう方がいるだけで臨床に携わるモチベーションはもう少しは保てそうな気がします。

*1:簡単でない,大変だ。

*2:体が疲れた,体が辛い,息が苦しい。「怖い」ではない。