運命共同体


姉妹都市提携といっても儀礼的なもので,個人レベルで言えば「家族同様のつきあい」という社交辞令程度だと思っていました。もちろん実際は家族でも何でもないわけで,仮に「困っているから金を貸してくれ。家族同様なんだから」という空気を読めない方がいたとして,相手にされなくても仕方がないでしょう。裕福な方ならともかく,頼まれた方も余裕がないとなれば下手すれば共倒れの可能性もあります。

姉妹都市根室医師不足救え 黒部市が外科医派遣

 黒部市民病院(新居隆院長)は十七日から五月六日までの二十日間、北海道根室市の市立根室病院(荒川政憲院長)に、外科医四人を交代で派遣する。医師不足にあえぐ根室病院の〝SOS〟に応えるためで、市民病院のスタッフは「こちらも医師不足に変わりはないが、見過ごすわけにいかない。助け合いの精神を発揮したい」と話している。

 根室病院は市内唯一の総合病院で、百九十九床を備える。三月末まで十一人の常勤医師がいたが、新臨床研修制度の導入に伴う大学の医局による医師引き揚げの影響などで、今月一日から五人減の六人体制となった。外科と整形外科の常勤医は不在となり、救急医療への対応はもちろん、通常の診療や手術すらできない状態となっている。

 新たな常勤医を確保できるのは、早くても大型連休明け以降になることから、同病院を運営する根室市は今月上旬、姉妹都市提携を結ぶ黒部市を通じて、黒部市民病院に医師の一時派遣を頼んだ。

 市民病院側も、眼科など一部の診療科で欠員が生じるなど、医師確保に頭を痛めている。要請に応えられる態勢ではないため、いったんは断った。しかし、黒部、根室両市は北洋漁業の開拓を通じて古くからつながりが深く、姉妹都市提携を結んでから三十年超の交流の歴史があることや、根室市民の窮状を考慮し、災害支援に準じる形で派遣を決めた。

 現地に赴くのは竹山茂副院長兼外科部長と三人の外科医。一人数日間ずつ交代で根室病院に詰め、外来診療や救急医療に携わる。

 根室病院のスタッフは「隣の釧路市の病院までは百二十キロ以上離れており、市民の不安を解消する意味でも医師の派遣は本当に助かる」と感謝している。市民病院側は「現地の深刻な医師不足の現状を身をもって知ることで、われわれの今後の対応策を探ることにもつなげたい」としている。

(cache)北日本新聞 2007年04月17日


姉妹都市っていうだけでここまでしないといけないんですね。いつのまに連帯保証人扱いになったんでしょうか。ちなみにいろいろな自治体の姉妹都市をちょっと調べたんですが,滋賀県彦根市香川県高松市三重県尾鷲市はプリンスルパート市(カナダ),夕張市は撫順市(中国・遼寧省),福島県大熊町はバサースト市(オーストラリア),青森県(元)金木町は三鷹市でした。もし何か困ったことがあればお願いしてはどうでしょうか。

  • 真面目なエントリだと思って読んだ方には謹んでお詫び申し上げます。