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健康食品による健康被害

診療


患者さん特に慢性疾患を患っている方から「○○(健康食品の商品名)が病気に効くと聞いたんですがどうでしょうか」と質問されることは割とよくあることです。「病気に効く」と宣伝することは禁止されている筈なので,知人から聞かされたのか,あるいは宣伝からそのように受け取ったんでしょうけど,当方としては,

  • 医薬品として認可されていないものについては効くとも効かないとも言えない
  • 現在の治療に影響がなさそうなら禁止はしない


という説明をするようにしていました。治療に影響する健康食品といえばワーファリン内服中のクロレラが有名ですが,ウコンに結構な鉄が含まれていて慢性肝炎に悪影響を与えることも以前から言われていました。ただ,ウコンの場合「肝臓を元気にする」といったキャッチフレーズ*1がついていることが多く,肝臓疾患の患者さんがむしろ積極的に購入する頻度が高いのが厄介です。

鉄は健康なら過剰摂取の心配はない。だが、国内に約200万人いるC型肝炎患者の場合、肝臓に蓄積する恐れが高い。過剰な鉄は、活性酸素を作り、肝細胞を壊したり、がん化を進めたりする。

(cache)健康食品で鉄分過剰摂取、C型肝炎に悪影響も:Yomiuri Online 2007年6月24日


続発性ヘモジデローシスを無視しているのが気になりますがそれは置くとして,過剰鉄にこのような作用もあることは一般に認知していただく必要があると思います。慢性肝炎を含めて,鉄欠乏性ではない貧血の方で鉄過剰になっている方を時々見かけることがあり,よく聞くとご自身で健康食品やサプリメントを購入されていたりします。

また,少し前までは治療に関わらないことであれば患者さんの生活にできるだけ介入しない方が良いと思っていましたが,健康食品(某グルコサミン)が原因と思われる肝障害を実際に数人診療したこともあり,外来診療では次の説明が加わりました。

  • 天然成分と謳っていても保存料や基材が含まれているので,これによる健康被害の可能性はある。
  • 錠剤のような形をしているが医薬品ではないので保障の対象にならない。


当方としては正直,効果が保証されていずリスクだけはある高額な「食品」に使うお金があればもっと有意義な使い道*2があるのでは?と思ってしまうのですが,大きなお世話なんでしょうね。

*1:「元気にする」だと薬事法はセーフらしい。

*2:北海道を除くとウイルス性慢性肝炎に対する公的な補助がなく,結構な金銭的負担になる。6/30追記:入院治療に対しては補助のある自治体もあるようです。