読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

控訴断念

医療と司法


<大野病院事件>検察、控訴断念へ最終調整

福島県大熊町の県立大野病院で04年、帝王切開手術中に患者の女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、福島地裁(鈴木信行裁判長)が業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医、加藤克彦医師(40)に無罪判決(求刑・禁固1年、罰金10万円)を出したことについて、検察当局が控訴を断念する方向で最終調整に入ったことが27日分かった。
今月20日の福島地裁の判決は、大量出血の予見可能性など検察側主張を一部認めたものの、最大の争点だった「胎盤剥離(はくり)を途中で中止すべきだったか」については「中止して子宮摘出手術などに移行することが当時の標準的な医療水準と認められず、剥離の継続が注意義務に反することにはならない」と加藤医師の過失を否定した。さらに、「剥離を中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしなければならないが、検察官は臨床症例を提示していない」と検察側の立証の不備も指摘した。

これ以上裁判が継続しても「真実の追究」にも「再発予防」にも寄与しないうえに,関係者の受けた傷は広がるばかりですから,判決が無罪で確定すると言うことであればまずは歓迎したいと思います。

福島地検が上級庁と協議を進めているが、女性の症状の「癒着胎盤」は症例が極めて少なく、剥離を中断した臨床例の提示も困難なことなどから、慎重に検討しているとみられる。

医師側の過失を立証するために検察側が新たな証拠を提示するのは,やはり困難だったようです。結果論で言えば,判決で「医学的準則だったと認めることはできない」と指摘されるレベルの証拠で起訴したことに問題があったことになるんでしょう。起訴を決めた時点で福島地検側にどれほどの認識があったのかは分かりませんが,少なくとも今後似たような状況で,起訴する前の段階で検察が「医学的準則」について然るべき専門領域の医師に照会するような流れが出来るなら,今回の「事件」によって生じた多大な犠牲の一方で,得るものがあったということになるのかも知れません。

追記(2008-08-28 13:30)

読売新聞共同通信でも同様の記事があがってました。とりあえず毎日新聞の「飛ばし」という可能性はなさそうです。