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未知の状況における意志決定の難しさ


感染蔓延地域からの貴重なリアルタイムの報告です。公式にはまだ新型インフルエンザが発生していないとされる地域と比較してみると,図らずも「ガイドライン対策実行による社会実験」の様相を呈しているようにも思えます。巻き込まれた医療・地方行政・企業の関係者の皆さんにしてみれば災難としかいいようがありませんが,国とすればその結果を睨みつつ次の段階に進むタイミングを見極めようとしているのかも知れません。


上記記事にもあるように問題になるのは公衆衛生学上の判断に加えて,「感染そのものによる被害」と「感染対策による経済被害」のバランスと思われます。封じ込めのために規制を厳しくすることで経済活動も停滞する以上はそれを踏まえた判断が求められる一方,予想以上にインフルエンザの被害が大きければ今度はその判断が問われることになります。誰も遭遇したことのない不確定要素が大きな状況に関しては,本来はその判断を後知恵によって責任追及するのではなく,客観的に分析して今後に生かすべきなんでしょう。


ただし個人的には,あえて事実を「見ない」という策は混乱を回避するためには短期的には有効かも知れませんが,長期的にはそういう策を弄すること自体が意志決定に対する信頼を失わせるリスクが問題になってくるようにも思えます。もちろんその評価も事後的にするしかありませんが…。