映画『シッコ SiCKO』公開
今週末公開ですが,すぐ見に行けるかどうか不明。映画の内容そのものは勿論,日本でメディアにどう扱われるかに興味があります。前作をあれだけ持ち上げた以上は黙殺するわけにもいかないでしょう。畑違いの記者が見当違いの批評をするぐらいならまだしも,この映画をダシに日本の医療を批判するようなことがないといいのですが。
公的な国民皆保険制度を導入することは、米国の労働者にとって絶対に利益があることであり、反論の余地はないのだ。そしてムーアが目指すのはまさにそれで、たとえ多少の問題があろうと、まずはこういう他国並の制度を導入しようよ、という提案は全面的に支持できる。
『シッコ』のすばらしいところは、外国の制度を(あえて無条件に)礼賛してはいても、観客に「さっさと米国を捨てて移住したい」と思わせないように作ってあるところだ。「うちの国はこんなにひどい。でも頑張ってみんなで他国のいいところは取り入れて行こうよ」という、建設的かつ前向きな主張は、ムーアに愛国心があるからなせることで、だからこそこの映画は米国民から圧倒的な支持を得たのだ。
面白いし、泣けるし、勉強にもなる。マイケル・ムーアの最新作は、彼の最高傑作といってもいい優れたドキュメンタリーだった。医療格差を呼ぶことになるであろう混合診療解禁など、ちょっと目を離すとすぐにアメリカの後を追いたがる日本に住むものとしても、これは他人事ではない問題だ。
超映画批評 - 「シッコ」今度は世の中を変えられるか?
映画を観た一般の方にも正しい認識を与えてくれる作品であると期待したいと思います。
ちなみに礼賛している外国の制度というのはフランスのことらしいのですが,不勉強でフランスの医療制度のことはよく知りません。検索して見つかるサイトを見ている限り日本と同様の皆保険制度で自己負担は3〜4割,ただし窓口で全額支払って後日患者が保険支払請求を行うようです。
http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Green/8542/shussan/system1.html
http://naoko.okuda.free.fr/medical.html
公式サイト - http://sicko.gyao.jp