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第3.5次試案

医療と司法


厚労省から「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」なるモノが公表されたようです。


対象範囲で厚労相と異論―死因究明制度の法案大綱公表 - キャリアブレインニュース

医療事故が起きた場合に原因などを調査する「医療安全調査委員会」(仮称、医療安全調)が警察に通知する範囲について、大綱案では、パブリックコメントでも「表現があいまい」との指摘が多かった「重大な過失」の文言が消えている。二川課長は「法案化すると『重大な過失』という用語より客観性ある表現の方がいい」と説明。大綱案では通知の範囲を▽故意による死亡または死産の疑いがある場合▽標準的な医療から著しく逸脱した医療に起因する死亡または死産の疑いがある場合―とした。
「標準的な医療から著しく逸脱した医療」に該当するか否かの判断基準については、「病院、診療所等の規模や設備、地理的環境、医師等の専門性の程度、緊急性の有無、システムエラーの観点等を勘案して、医療の専門家を中心とした地方委員会が個別具体的に判断する」としている。二川課長は、「総合的に考慮して判断し、一律に決めるものではないという解釈になる」と解説した。

これに関連して、厚労相が同日の閣議後の記者会見で、死亡事故に限らず制度の対象に含める必要性を指摘したことについて、二川課長は「第三次試案に基づく今回の医療安全調は死亡事故に限定している。死亡事故以外は現実の調査の及ぶ能力を考えると難しい。死亡以外の事故は今後の検討課題」と述べた。


この「大綱」では第三次試案で槍玉に挙がった「重大な過失」という文言が「標準的な医療から著しく逸脱した医療」に変更されています。司法における「過失」と区別する意味ではいいかも知れませんが,今度は何をもって「標準的」というのか,という問題が持ち上がります。専門学会内でも「標準的」な診断・治療が定まっていないものは多数ありますから,地方委員会がそのたびに判断する,というのも相当大変そうではあります。

記事によれば他に大きな変更点はないようですが,「重大な過失」云々の他にも問題点は山のように指摘されていますから,当然これで幕引きとはいかないでしょう。この「大綱」に関しては舛添厚労相があくまで第4次試案のための叩き台に過ぎない,と釘を刺しています(→舛添厚労相「法案大綱で議論を」)から,あくまでこれが最終案ではないわけです。逆にいうと,もし釘を刺さなければこれが最終案として公表されていたということになるんでしょうか。だとすれば舛添氏GJということになりますが…。