事業仕分けの極個人的感想


事業仕分けの様子をいろいろな媒体で観察していましたが,結局のところあれは例年予算編成の際に行われている「財務省による各省庁の評定」であって,今回公開されているのはそのうち比較的差し障りのない部分なんだろうと想像します。もっとも差し障りがないといってもあくまで省庁にとってのことで,対象事業にとってだけでなく,事業縮小による国民への影響が半端ではないと思われる項目も見受けられました。


あえて前向きな評価するのであれば,普段クローズで行われている財務省による評定の様子を映像で垣間見ることができたというあたりでしょうか。医療費は経済水準にスライドして抑制するとか,開業医の収入が多すぎるとか,もう何回されたか分からない周回遅れの議論ですが,逆に考えれば財務省としてもそれぐらいしか医療費抑制の根拠はないんだろうなとも思います。もっともそんな周回遅れの話に釣られてしまう大臣もいるようですが…。


それにしても,根拠となるデータがツッコミ所満載で案の定ツッコミを受けて「では後日改めて」ということで結論先送りというお約束のパターンはもはや伝統芸の域ですね。勤務医と開業医の収入を適正に比較するデータなんて中医協ではお目にかかった記憶はありませんけど…。あと,せっかく情報の非対称性とか病院の医療の質という話が出てきたのに,某医療機能評価機構への補助金はムダじゃないのかという指摘がなかったのは個人的には残念でなりません。