ワクチン行政の行く末


予防接種法「遅くても5年で抜本改正」−足立政務官 - CBニュース

3日の政策会議では、「予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の概要について、足立政務官らが与党議員に説明した。出席した議員からは法案の内容のほか、肺炎球菌やHPV(ヒトパピローマウイルス)などの疾病を、予防接種法でどう位置付けるかなどについて質疑があったという。

現状を追認するような予防接種法改正への提言に対して,政治側から問題提起があるのは一抹の希望ですが,そうした声が果たしてどこだけ政策に反映されるかどうか予断を許さないところです。ワクチンというのは大きく捉えれば感染症という敵から国民を守る手段であるわけですが,その防御がいかに頼りないのかというのが昨年の新型インフルエンザ騒動の教訓であったはずです。個人的には,これでようやくワクチンの国内生産体制について見直さざるをえなくなると期待してましたが,いまのところ目立った動きはありません(当方が知らないだけかもしれませんが)。必要なワクチンが自国で供給できない要因として,既存メーカー保護のため新規参入が阻害されているという指摘がある一方で,自己負担が大きく需要が抑制されている現状ではそもそも参入するメリットがないのではとも思えます。

ワクチン“後進国”日本 新型インフルで浮き彫り - 神戸新聞 cache

1980年代末から、新三種混合(MMR)ワクチンで副作用による被害が多く発生したことなどで、副作用に対する不安感が根強く、国際的な流れから遅れた日本。ヒブ、B型肝炎、肺炎球菌などのワクチンは、WHOが全世界に接種を推奨し、多くの国で対象者が無料で受けられるのに対し、国内では任意接種で有料となっている。国内のワクチン市場も全医薬品の約1%と小さい。

政府がすることは国内で必要なワクチンを供給できるような政策をとることであって,限られたワクチンの供給をコントロールすることが最優先事項ではないはずです。まして代替医療による予防を推進するなんていうのは,エビデンスに基づいた予防医療を充実させてまだ余力があればの話ではないかと思います。