秋の医療(?)ドラマ
医療ドラマと言っていいのか分かりませんが,緒形拳さんの遺作でもあるということで話題の「風のガーデン」を観てみました。
初回冒頭は中井貴一さん演じる麻酔科准教授の勤務の描写に結構時間が割かれていました。医療ドラマに出てくる医師といえば大概わざとらしいほどテンションが高い演技をするのでどうも不自然さを感じてしまったのですが,常に緊張感を保ちながらも立ち振る舞いはあくまで平静という医師像は,当方にとっては今までで一番違和感を感じないものでした。このあたり,一般の視聴者がどう受け取ったのか知りたいところです。「緊張感もないし軽口ばかり叩いて不真面目だ」なんて思うひともいたりするんでしょうか。
一方で短いカットを多数繋ぐことにより,セリフで説明しなくても勤務の多忙さとストレスの大きさが伝わってくる演出もなかなか良いと思います。脚本と演出の良さもあるんでしょうけど,かなり事前の取材に時間をかけたのではないかと想像します。まあこれは,テレビ局側としてもかなり力の入ったドラマでもあり,ある意味恵まれた条件だったことも手伝ったのかも知れません。
次回あたりから舞台は富良野に移るようですが,今後はドラマの本筋とは別に,緒形拳さん演じる在宅医療に従事する開業医がどのように描かれるかというあたりも個人的には興味深いところです。