七人の総合内科医


江別市立病院 再建着々、内科医派遣へ 岩内、美唄に - 北海道新聞 cache

内科医ゼロに陥った江別市立病院は、再建へ「総合内科」を打ち出し、七人の総合内科医を集めた。内科医療が臓器別に高度化し、医師が専門以外を診るのが苦痛になっているのに対し、全般に通じた一人の医師が患者の全身症状を診るという、公立病院では珍しいシステムだ。

内科医12人→ゼロの惨状から10人まで回復したとのことで何よりです。公式HPによると内科医の内訳は総合内科7名,内科(血液・糖尿病)1名,消化器2名,呼吸器・循環器0名(非常勤のみ)となっています。

現在の医療水準を踏まえればすべての分野において一流レベルを保つことなど不可能ですから,「総合内科」に求められるのはcommon diseaseに対する標準レベルの診療と,専門医へ紹介すべき疾患の拾い上げでしょう。ですから本来は,背後に控える専門医と協力して効果を発揮する職種であると理解していました。

この病院のようにゲートキーパーが最終防衛ラインを兼ねるようなシステムは,まさに僻地病院のそれです。「公立病院では珍しいシステムだ」との仰せですが,僻地公立病院で勤務していれば「総合内科」と銘打っていないだけで分野にかかわらず診察することになりますから,ごくありふれたシステムでしょう。

こういう「総合内科」の使い方は,ゲートキーパーというよりは単なる「便利屋」と見なしているだけのようにも思えます。考えてみれば,10万都市といえども僻地と同じシステムを採用せざるを得ないあたりがやはり「心の僻地」ということなのかも知れませんが。

それだけならともかく,美唄とか岩内にも医師を派遣することになったようです。しかも将来は

江別市立病院は、将来は道東、道北など遠隔地の中核病院にも総合内科医を長期派遣し、再研修の受け入れもする「拠点病院」化も構想している。

とのことです。自前の病棟がこの4月にやっと再開できたような状況で,その何だか分からんけどすごい自信は一体どこから来るのか,当方には理解不能。