規制緩和と地域格差


権丈善一先生のHPに掲載されていた社会保障国民会(雇用年金分科会)での発言より引用。


勿凝学問190「地方を活性化する」とか「中産階級を生む」とかというのは意図的にやらないとできっこないんです(PDF)

もうはっきり言って、「地方を活性化する」とか、「中産階級を生む」とかというのは、意図的にやらないとできっこないんです。中産階級をこの国でつくるぞとか、地方に雇用をつくるぞということを意図的にやらないとできるわけがない。それを意図的にやるということはある意味規制をすることなんですけれども、規制をどんどんと撤廃していったりすると、中央に資本や人とかいろいろなものが集まった社会になり、その一方で地方分権という形で財政の負担を地方に回すというのは、私はちょっと理に合わない動きがここ数年というか、ずっと続いているのを感じております。


規制を緩めれば金も人も地方から都市へ偏在していく流れは止められないわけで,であれば「規制緩和」による「地方の活性化」なんていうのは論理的に矛盾することになるはずなんですが,メディア世論の勢いにのまれて何となくそうなのかと思うひとも多いんでしょう。考えてみると,そういう流れであれば,地方での医師不足に関して「地方へ医師が行かないのであれば規制緩和を進めるべきだ」という意見が少しは出てもよさそうなものですが,なぜかこの問題に限っては僻地義務化とか計画配置みたいな話ばかり出るのはちょっと不思議ですね。